記者 復帰10年来、香港は政治、経済、人々の生活、社会の諸方面に積極的な変化が生じたが、特別行政区政府はいかにしてその経験を総括して一層の発展を実現し、よく言われている香港精神を具現するのか?
曾蔭権 香港はこの10年間に多くの起伏を経験した。金融危機は香港にとって、第二次世界大戦以後最大の試練であったかも知れない。また鳥インフルエンザとSARSもあり、どれもが香港の経済と社会に変化をもたらした。これらの困難はすべて香港によって1つ1つ克服された。金融危機の後、香港の金融市場全体に一歩進んだグレードアップが見られ、私達の先物市場、現物市場を結び付けて、証券市場監督の面でも全面的な向上が見られた。現在、私達は外部の事に対する対応能力もずっと強くなった。同様に、SARSは私達にこのようなチャンスを与え、私達の衛生条件、ハードウエアの条件、医療システム全体のグレードを引き上げ、これはSARSが私達にもたらした経験である。
香港では、基本的な精神の1つは事が発生してから、私達は直ちにそれを総括し、反省し、改善するということである。この価値観はこれからも続いて行くであろう。これまでの10年間に対する私の経験の総括として次の5点が挙げられる。
一、必ず人間本位を旨とし、政策が下から上へ、更に公にことを運び、さらに透明性を向上させ、香港の市民たちに十分に参与するチャンスを与えなければならない。二、政治の発展の面で、私達は必ず全面的にそれを解決しなければならない決意である。三、私達は生活の面で、特に大気の質の面で、香港の生活レベルを向上させることを目指している。四、私達は愛の心をもち、自分より他人にもっと配慮する社会を作り出し、不幸な人、生活条件のよくない人に対して香港はことのほか工夫すべきである。五、私達は人々の資質を向上させ、教育、育成・トレーニングの面への資金投下を強化しなければならない。
向こう5年間のプランについては、私はすでにそれを明確に策定している。私は施政綱領に基づいて、最大の努力を尽くしてそれぞれの仕事をなしとげるであろう。香港をより高い段階にリードしていくことに対し、私は自信満々である。
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