記者 あなたはこれまでの10年間の「一国二制度」、「香港人による香港の管理」の実施状況について全般的に評価を行うことができるかどうか?
曾蔭権 私が北京に行って中央政府の任命を受け入れた際、総理は私に、香港の10年間は並々ならぬ道をたどってきたと語り、これは非常に正しい評価であると述べ、私達の「一国二制度」は並々ならぬコンセプトであり、これまでになかったものであると語った。
私の感じは、香港は1997年以前より更に強固になり、更に成熟し、更に自分の将来の道をよく見きわめられるようになったということである。「一国二制度」は前例のない成功をおさめ、香港人の国に対する認知は毎日強化されている。中央政府の香港に対する政策への私達の感銘は非常に深く、プラスの評価もある。私達の苦しい日々において、例えば金融危機、SARS感染期間に、中央政府は私達に私心のなくサポートしてくれた。
香港人は国の進歩を知り、国の絶え間ない進歩を誇りとし、「一国」の認知は日に日に強固になっている。「二制度」の面で、香港のもとの生活様式、私達の価値観、私たち香港人が好む自由、香港で重視されている法制、公平な社会、流通する貨幣は弱まることがなかったばかりでなく、かえってよりいっそう強固になった。そのため、「二制度」は香港の在来の姿を維持しているのみならず、香港の価値観の継続的な成長を保つものとなっており、これも香港が国に貢献できるところであり、特に香港のユニークな金融資源を利用することである。このため、「一国」にせよ、それとも「二制度」にせよ、すべて目に見える形で、みごとに香港で実施されることになった。全般的に言って、この10年は香港にとっては成功を収めた10年である。
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