中国初の文化遺産保護基金がこのほど無錫で発足し、最初の募金は2480万元を超えた。
経済のグローバル化という趨勢と、急速な都市化に面している無錫市は、中国のほかの都市と同様に文化の生態において大きな変化が起きてきた。
「一つの都市の遺産はその都市の歴史の証人であり、文化の烙印であると同時に、前進の基礎と発展に有利なものでもある」
無錫を文化的特質に富む町にし、歴史的な呉文化と商工的な文化を広めるため、無錫市は政府の主導のもと、社会が参加して、伝統的な視野と方法とらわれない新しい文化遺産保護体系を建てようとしている。
無錫は7000年前から人類が住み、歴史が文字に記録されてからでも3100年、都市としては2200年以上の歴史を持つ江南の有名な町だ。ここは古代の呉文化や近代の中国民族商工業の発祥地であり、現代の郷鎮企業の誕生地でもあるため、貴重な遺産が非常に多い。しかし、文化遺産の緊急救助と保護は簡単なものではない。恵山の泥人形の伝承や、古運河の整備、清明橋や鴻山戦国貴族墓などの文化財の修復と保護など、どれ一つを取っても多大な人力と物資が必要だ。これは政府の力だけではまったく間に合わない。無錫市文化遺産保護基金会は、この資金上の問題を解決するために生まれた。今日の公募大会では、このまだ若い基金会にすでに2486万6936元が寄せられた。
基金発足会で、無錫市党委員会の楊衛沢書記は、次のように語った。「かつて無錫市政府は経済の発展にマイナスの影響があるではないかと考慮して『歴史文化名城』の称号を断っていましたが、その後、10年間かけてやっと2006年に省レベルの歴史文化名城として認可されました。今年は無錫市を国家レベルの歴史文化名城に登録されるよう積極的に力を尽くしたいと思います。」
また、楊氏は、無錫をいわゆる「エコノミックアニマル」にするだけでなく、「文化精霊」にもしたい。すなわち、商業的活気に満ちると同時に、文化的情緒もあふれる町にしたいと語った。中国初の文化遺産保護基金会の発足は、無錫を歴史文化名城とするこの願いの実現を推し進めるだろう。
文化遺産保護基金会募金の趣旨は「広く募金し、遺産を保護し、歴史を伝承し、末永く利用する」と定められたという。明日行われる「中国文化遺産保護無錫フォーラム」において、国家文物局の単霽翔局長は全国各地から招かれた専門家と共に無錫の郷土の建築物保護について意見を交わし、無錫の文化財保護に歴史的な意義のある『無錫提議』を起草することになっている。
「北京週報日本語版」2007年4月16日
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