中国の温家宝国務院総理は4月12日、中国の首相として初めて日本の衆院本会議場で演説し、「新たな歴史的条件のもと、中日両国間の共同利益は日増しに拡大する一方で、両国の共同対応が必要な重要課題も存在している。このような客観的事実に基づき、両国指導者は戦略的互恵関係の構築で合意に達した。私たちの目標は両国関係を新たな段階に推し進め、平和共存、互恵協力、共同発展を実現することだ」と述べた。
この目標を実現するための原則として温総理は次の5点を挙げた。
(1)相互信頼を促進し、承諾を履行する。「中日共同声明」など3つの政治文書は、両国関係を政治的、法律的、事実的に総括したとともに、両国関係の未来を計画したもので、中日関係の礎だ。どのような状況が発生しようと、双方がこの3つの政治文書で取り決められた各原則を厳守しさえすれば、両国関係を順調に発展させることができる。
(2)大局を重んじて、小異を残し大同につく。中日両国は一部の具体的な利益・問題において意見の相違が生じている。しかし、これらは私たちの共同利益に比べれば、副次的な重要性を持つに過ぎない。私たちが歴史に対して責任をもち、長い目で対話・協議を行えば、双方に存在する問題を適切に解決する方法が見つかるはずだ。
(3)平等互恵、共同発展を目指す。中日両国の経済は相互補完性が強く、協力の見通しは明るい。中日の経済協力関係は互恵・ウィンウィンの関係だ。両国経済の発展は双方にとってチャンスであり、脅威ではない。
(4)未来に目を向け、交流を強化する。経済協力と文化交流は国家間を結ぶ重要な絆となる。両国指導者はすでに、文化交流と人的交流の強化で合意に達した。
(5)綿密な協議のうえで試練に対応する。中日両国はともにアジア・世界における重要国家であり、中日関係は地域と世界に重要な影響を与える。私たちはこの観点をもちつつ、協調・協力を強め、共同で北東アジアの平和と安定を維持し、東アジア地域の協力プロセスを推し進め、アジアの振興に力を尽くす必要がある。私たちはまた、この観点をもちつつ、エネルギー安全保障、環境保護、気候変動、疾病予防・抑制、反テロ、国際犯罪の取り締り、大量破壊兵器拡散防止など、世界的な問題に対応する必要がある。
中国は、国際的にさらに大きな役割を発揮したいという日本の願いを理解しており、国連改革を含む重大な国際・地域的事項について、日本と対話・交流を強めていきたいと願っている。
「人民網日本語版」2007年4月12日
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