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友好の歴史をふり返って  
日本の「鄧小平ファン」

 

理想的な指導者のイメージ

今の日本人になぜこれほど多くの「鄧小平ファン」がいるのだろう。NHKの記者だった中島国臣氏は「彼は吹聴もしないし、穏やかで親切な人で、日本人が理想とする指導者のイメージに非常にマッチしている。日本を訪問した時の情景はいまでも多くの日本人の心に深く刻まれている」と語った。

1978年に松下電器産業を視察した際、鄧小平は電子レンジなどの新製品が並ぶ展示室に案内された。レンジで加熱されたシューマイを見せられ、手にとって眺めるとパッと口に放り入れ、食べながら「うまい」と一言。この一幕に松下電器の従業員たちはびっくりし、そのチャレンジ精神をほめることしきりだった。

奈良を訪問した時には、夫人の卓琳とともに宴会場の隣で行われていた結婚披露宴の会場に足を向けた。この意外な場面を撮った読売新聞の元カメラマンはこう語っている。「鄧小平副総理と握手して顔をやや赤らめた新婦と、意外な光栄に浸っていた新郎の様子を写真に収めた。その写真は鄧小平の率直な人柄を十分に表している」

中島国臣氏は「鄧小平のドキュメンタリーを観た日本人は、ただ中日友好の歴史を回顧するためだけでなく、さらに自らの心にある思い出を温めたかったからだ」と説明した。

継承価値のある外交の知恵

今日の多くの日本人にとって、鄧小平は中日友好に重大な貢献をした指導者であり、現在の中日両国の指導者が鄧小平の外交の知恵を継承することを望んでいる。

中島宏氏は共同通信のベテラン記者で、70年代初めから80年代まで北京に駐在し、北京支局長を務めた。駐在中、何度も鄧小平と会見したほか、単独インタビューもしている。「彼は高所で構えて人に圧迫感を与えるようなことはなかった」。当時、中島宏氏は各国の記者と雑談した際、期せずして「鄧小平は世界を心服させる指導者」との認識で一致したという。

柔軟で実務的なのが鄧小平の際立った特徴であり、とくに中日関係の処理に当たっては、大国の指導者として実際の必要性に立って対応することができる。中島宏氏はこう感じている。例えば当時、彼は中国が遅れていることを認め、建設のためには日本に学ぶ必要があると語り、「この言葉は私を感服させた」と中島宏氏。

さらに中島宏氏は「鄧小平は非常に謙虚で、自己を強調して相手を全面的に否定することはなかった。むしろ常に相手の立場に立って物事を考えており、指導者としてなかなかできないことだ」と語った。鄧小平の外交面での知恵は一つ貴重な遺産であり、日本の指導者についても、よく学んで継承すべきだと考えている。

「毛沢東と鄧小平」や「中国の政治社会――鄧小平以後を模索する」などを記した慶応大学総合政策学部の小島朋之教授は、毎年、鄧小平の忌日になると決まって言いたいことがあるという。「中日両国の指導者が鄧小平の外交の知恵から栄養を汲み取って、今後の中日関係をさらに健全で安定して発展させていくよう望んでいる」

小島朋之教授は「その対日政策から分かるように、鄧小平は東南アジア地域全体の平和と発展、繁栄と安定に関してかなり長期的な考慮と計画を持っていた」と説明する。昨年の安倍首相の中国訪問の成功、そして中日両国が合意した共同の戦略的利益に基づく互恵関係はまさに、鄧小平の中日関係の政策を具体的に示すものだ。

写真は1978年、訪日した鄧少平氏を熱烈に歓迎する日本の子供たち

「北京週報日本語版」2007年2月28日

 

 

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