首都博物館は北京市の大型総合博物館として1981年10月、静かな環境の孔廟・国子監内にオープンした。
同館は数十年にわたり、さまざまな文物を収集してきた。青銅器や陶磁器、書画、石刻、貨幣、玉器、帝王の印章、織物、刺しゅう、竹・木製器具、象牙・角製品、仏教彫刻、文具、民間工芸品など収蔵品はおよそ25万点。海外に名を馳せる孤品や逸品も少なくない。
オープンして以来、「北京歴史文物展」や「元・大都歴史展」「旧北京の春節民俗展」「収蔵する歴代陶磁器・書画の真贋識別展」「北京歴史文化展」など内外で開催してきた数百回にのぼる展示会はいずれも好評を博した。
99年、北京市党委員会と市政府は新館の建設を決定。最先端設備の揃った近代的な総合博物館で、新世紀に向けた北京市の象徴的建築物の1つとして、西長安街の延長線上にある白雲路の西側(復興路16号)に完成した。「人間本位、文物本位」をもとに、文化財の収蔵と展示、修復、研究、社会教育、交流の一体化を理念に設計された。常設・特別展示ホール、倉庫、社会教育室などが設けられているほか、地下駐車場も完備。さまざまな機能と先進的設備を誇る世界でも最先端、また国内一流の近代的博物館に生まれ変わった。
敷地面積は2万4800平方メートル、総建築面積は6万3390平方メートル。地下2階、地上5階建てで、北側に緑の文化広場、東側には土を掘って造られた竹林庭園がある。地上建築物の長さは東西152メートル、南北66メートル、高さは44メートル。外観は矩形、立面は楕円形、屋根は金属の構造。設計に当たっては、博物館としての機能性を重視し、それぞれの機能の調和を追求した。
新館では定湿・不定温空調システムを採用。倉庫や展示ホールの相対的湿度は変化の幅を2%以内に制御できるので、文物の安全性が大幅に高まった。展示ホールの温度は外の気温に応じて自動調節されるため、快適に見学できる。
大ホールではイベントなどを開催できる。スクリーンや音響設備、情報通信端末などが完備され、文化広場に設置した大型パネルを通じてイベントの模様を放映することも可能。終了後30分以内にはイベントのCDを提供できるという。
各入り口や大ホールに案内パネルが設置されているので、博物館の基本状況や見学情報を自由に検索できる。セットまたは割引などの各種チケットは自動販売機で購入し、自動改札機も設置されている。当日であれば、途中で館内を出ても引き続き見学が可能。
過去の音声映像データがデジタル化されており、パソコンや電話で鑑賞したい曲芸や演劇などの作品を自由にリクエストできる
デジタル化ネットワーク、ラジオ・テレビネットワークなどを整備してオンライン会議を実現。館内のLANを通してリアルタイムで会議に参加できる。
|