車両の検査はとくに厳格に実施された。特別通行証を持つ車両とVIP用を除くすべての車両は、例外なくボンネットやハッチ・バック、ドアを開け、運転者と同乗者を下ろして安全検査を行った。車台についても初めてスキャンシステムを導入。道路にカメラとライトを設置し、車台の画像は通過と同時にコンピューターシステムに伝送され、ナンバーも自動的に識別されるため、事後調査に役立てることができる。
今回のソフトボール選手権では、制服警官と私服警官のほか、「安検」(安全検査)の字が印刷された制服を着た保安要員やTシャツ姿のボランティアが配置された。安全責任者の劉江氏は「制服の警官ばかりだと、観衆に何か起こったのではないかと心配させてしまう。制服を着用していなければ、警官がいくら多くとも、緊張感から観戦に影響が出ることはない」と説明する。
また開幕前には、スタンドで火事が発生、競技場内で不審物を発見、という2つのケースを想定にした訓練を行っている。
今回の試合の安全度は「B」に指定された。第29回北京五輪では、安全度は関心の高さ、対抗性、入場者数、リスク指数に基づいてABCDの4ランクに分類される。例えば、試合が行われていない競技場は「C」、トレーニング施設は「D」となる。ただ、試合がなくともすべての競技施設で保安要員とボランティアのほか、警官が24時間態勢で警備にあたる計画だ。
北京五輪の安全警備作業は、01年12月13日のオリンピック組織委員会の発足ともに始動。「平安な五輪」開催という戦略的目標は、(1)準備段階(01年12月から04年末まで)、(2)全面的な整備段階(05年から07年末まで)、(3)各対策の訓練・調整・完備の段階(08年1月~6月まで)、(4)実施段階(08年7月から五輪閉幕まで)の4段階を経て実現される。
北京はこの数年来、発生可能な問題をめぐって綿密で周到な検討を重ね、「北京五輪行動計画・安全警備専門計画」や「五輪の安全警備の総合計画」「五輪競技場周辺の治安管理対策」「五輪の安全キャンペーン」など重要プランを策定してきた。
03年12月28日、北京市党委員会の強衛副書記を座長とし、公安部と解放軍参謀総部、武装警察総部、外交部、税関総署など15の政府機関と関係機関からなる北京五輪安全警備作業協調グループが正式に発足。その下に指揮センターと情報センターが設けられ、各業界の専門家数十人が顧問に就任した。
控えめの推算だが、北京は五輪期間中に警官4万人、武装警察2万7000人、保安要員1万人、ボランティア5000人を含む9万2500人を警備にあてる予定。訓練はすでに今年4月に全面的にスタートした。内容は、安全検査の方法やテロ対策、突発事件の処理、緊急支援、入場者の安全への誘導、外国語、国際的マナー、宗教常識、安全運転技術など46項目に及ぶ。警察犬も動員される。
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