――五輪の安全警備作業は現在、計画どおり順調に進んでおり、北京市は安全な五輪開催への自信を深めている。
唐元愷
08年8月8日開幕の北京五輪まで2年近くとなったが、すでにテロ防止・安全網はほぼ確立された。現在はその強化に取り組んでいるところだ。
北京が第29回五輪招致に成功した01年7月13日から2カ月足らずの9月11日、米国で同時多発テロ事件が起きた。それを受けて、北京の関係方面はすぐさま五輪の安全警備態勢を強化することにし、関連予算を五輪全体の5分の1を占める3億ドルに増額した。
北京はアジア競技大会やユニバーシアード、さらに毎年数百回に上る大型イベントを開催してきたが、これまで事件や事故は起きていない。それでも「世界の大規模競技大会での安全警備の経験を学ぶとともに、情報など多角的な国際協力を展開する必要がある」と、北京オリンピック組委会の蒋効愚執行副主席は強調する。
多方面から安全を保障
五輪の安全警備面での訓練ともなる初の国際試合、女子ソフトボールの第11回世界選手権が8月27日に北京の豊台ソフトボール場で開幕した。
北京五輪安全保障指揮センターは今回の試合のために宿泊先や競技場、交通、出入国管理などで安全警備を担当する7つの指揮部を設置。
出入り口でのチェックや施設の警備、警報網、テレビ監視システムなどの安全警備対策を講じた。入場者の全手荷物のX線検査や、携帯する電話や金属品の手作業による検査、ボディーチェックなどを実施したほか、証明書を持つ記者やボランティア、作業要員も検査対象とした。
これまでの試合では、競技場の入り口で先ず入場券をチェックし、その後に安全検査を行っていた。今回は競技場の外に安全確保のためにロープを張り、そこでボディーチェックをした後に入場券をチェックすることにした。こうすれば不審物が競技場に持ち込まれることはなく、爆破事件を未然に防ぐことができるほか、警備員や安全検査用器材の数を少なくできると同時に、入場者が殺到するのを防止することも可能だ。
|