中国地質博物館は北京市西城区西四羊肉胡同15号にある。前身は1916年に創立された北京地質調査所の地質鉱産物陳列館。国内で規模最大、最も早く設立された地学に関する博物館で、アジアでも最大の総合的な地学博物館である。1959年10月正式にオープンした。
常設展示室は鉱産物資源室、地球史室、地層古生物室、鉱物岩室、宝石室。鉱産物資源室では農業用化学工業鉱産物、鋼鉄金属鉱産物、非鉄金属鉱産物などが展示されている。地球史室は46億年以来の、地球の荒涼とした天体から生気に満ちあふれた現代世界に至るまで発展の歴史を紹介。地層古生物室では各地層のさまざまな生物の化石が展示され、原世代から第四紀までの生物の進化の過程が人目で分かる。鉱物岩室では鉱産物や岩石の世界が理解できる。宝石室は宝石や玉石、五色石、硯などを展示。
同館は地質科学技術と博物館学の研究を主体としている。地質科学技術は地質の基礎を中心に、応用地質や掘削技術を研究。元館長で地質学者の高振西氏は中国北方の震旦紀研究の第一人者だった。中生代の恐竜や新しく発見された鉱産物、岩石のボーリングによる等級分類、電子ゾンデサンプルなどについて研究し、大きな成果を上げた。また館外と協力して『地震問答』とその修正版、『地質力学浅説』『中国五大蓮池火山』、写真集『中国鉱産物』『火山・温泉・地熱能』などを出版したほか、『宝石通論』や『宝石』『中国地質大観』などを自主編纂して出版している。
博物館を通して土地が広大で、物産が豊かで、鉱産物も豊富な中国を理解し、知識を深めると同時に自然資源を大切に保護し、資源の有効利用する重要性も知ることができる。
収蔵品は数多く、しかも多岐にわたる。各種地質サンプルはおよそ10万点。世界的にも珍しい展示品も多い。また世界で背の最も高い恐竜の化石―山東竜をはじめ、鳥類の起源の研究に重要な価値のある原始鳥化石、周口店で出土した石器や石珠、骨針などはいずれも国宝クラス。
展示品から鉱産物や岩石の性質や構造、成因、地質進化の歴史や自然環境の変遷、古生物の進化の過程を知ることができ、まさに雄大な地球史の絵巻とでも言える。 「北京週報日本語版」2007年1月22日
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