国家民族事務委員会が中国民族博物館に委託して行われるチャン族文化遺産緊急救援プロジェクトが先ごろ始動し、文化遺産の実地調査、損壊評価、収集、記録作業がまもなく開始される。
30日に北京で開かれた四川地震被災地チャン族文化救援保護座談会において、中国民族博物館の韋栄慧副館長は「四川地震ではアバ・チベット族チャン族自治州と北川チャン族自治県が大きい被害を受け、大量の文化遺産が損壊し、一部の無形文化財の継承者が亡くなった」と語った。
チャン族は古くからある民族で、その歴史は殷代までさかのぼることができる。2000年の第5回国勢調査によると、チャン族の人口は30万6000人で、主に四川省アバ・チベット族チャン族自治州の茂県、ブン川県、理県、北川県、黒水県などに分布している。チャン族の建築、服飾、飲食、音楽舞踊、宗教信仰などは特色を持ち、歴史的、文化的価値がある。
韋副館長は次のように述べた。プロジェクトの対象はアバ・チベット族チャン族自治州の各県と北川チャン族自治県の文化および無形文化遺産である。座談会の終了後、文化遺産の残留状況を実地調査し、損壊評価、収集、記録などの作業が開始される。
また一連の書籍を編修・出版し、民族集落の復興と文化の再建についての提案と処理を行い、チャン族集落の復興、チャン族博物館の建設、チャン族芸術団の設立、子供合唱団支援、無形文化財の学校での教育、各種工芸技術の組織的学習なども行う。
このほか、チャン族文化遺産救援特別展を6月15日から北京民族文化宮で開催する。
国家民族事務委員会のダンギュ・オンボン副主任は座談会で「国家民族事務委員会は、非常に多くの文化遺産がすでに消失したため、チャン族文化の救援と保護の緊急性を意識するにいたっている。復興では人間中心(人を以て本となす)を貫き、統一的に計画し、各方面に配慮し、住居を建設する際には、物質的な家を建てるのではなく、文化的な家を考える必要があり、誰もが心から安心できるものにしなければならない」と語った。
「新華ネット」より |