茂県文化財管理所と羌(チャン)族博物館に所蔵されている文化財が、済南軍区装甲師団官兵と四川省茂県公安警察に護送のもと、改装された軍用トラック8台によってはるばる移送され、成都博物館文物保護大楼と金沙遺跡博物館倉庫にひっそり引っ越した。今回移送された文化財は計153箱、約1万点、うち重要文化財は300数点。これらは幸いにも大地震の被害には全く逢わなかった。成都でひと夏、あるいはもう少し長く留まることになるかもしれない。「成都日報」が伝えた。
▽改装トラックで移送
7月4日夜、四川省成都市金沙遺跡博物館北門の外、公安警察が突然、門の周りに警戒線を張り始めた。「金沙博物館に何が起こったのか」-野次馬になり集まった周辺住民は、大型トラック4台がゆっくりと博物館に入り、現地係員が緊張した面持ちでそれを迎えるのを目にした。茂県文化財管理所と羌族博物館の「幸いにも地震による難を幸いにも逃れた」所蔵宝物はやっと、「新居」に無事到着した。文化財を運んできたトラックは、一般の軍用トラックと一見したところ違いはない。しかし、近くで細かく観察すると、これらトラックの後部板はすべて、重く硬い鋼板に改造されており、鋼板の上は補強のために多数の針金でグルグルに巻かれていた。運搬物が貴重品であることは明白だ。同日、このほか4台のトラックが、成都博物館文物保護大楼に文化財を移送した。
▽文化財は鋼製フレームラックに収納
金沙遺跡博物館の文化財倉庫に到着すると、同博物館の文化財管理担当者が文化財を1点ずつ点検登録し、順次鋼製フレームラックに置いていった。担当者は、「この鋼製フレームラックに収納しておけば、万一家屋が崩れても、貴重物品が壊れることはありません」と説明した。文化財の安全を保証するために、成都博物館と金沙遺跡博物館は、文化財の保管場所である倉庫を提供し、倉庫の周辺の安全を確保するという責務を全力で全うするという。これらの文化財は、通し番号をつけられ、封印紙に貼付され、委託部門以外は、具体的な内容については誰にも知らされず、秘密厳守となっている。倉庫では、1日24時間休みなく保安業務が行われているだけではなく、各文化財は防犯監視ビデオによってしっかりと見張られている。(編集KM)
▽装甲師団兵による護送
茂県文化財管理所と羌族博物館本館は地震によってかなり深刻な被害を受けた。茂県文化財管理所と羌族博物館は、館所蔵文化財の安全確保のため、四川省の文化財局の協力のもと、文化財を成都に移送することを決定、成都博物館と金沙遺跡博物館でしばらく預かってもらうことにした。茂県文化財管理所と羌族博物館は5月15日から、館所蔵の文化財の整理、包装、緊急移送作業をスタートさせた。職員全員による努力の末、7月3日夜、全文化財の箱詰め作業が完了した。7月4日の明け方6時、済南軍区装甲師団兵と現地公安警察の護送のもと、8台の改装トラックに積まれた文化財は茂県を出発した。松潘、平武、江油、綿陽を経由して、同日深夜はるばる成都に到着、成都博物館文物保護大楼と金沙遺跡博物館倉庫に運び込まれた。
今回移送された文化財には、茂県博物館が所蔵する全文化財が含まれており、その種類は銅器、玉細工、金器、石器、陶器、磁器など、新石器時代から明・清朝時代までの文化財をカバーしている。
写真:地震発生前の羌族博物館。(編集KM)
「人民網日本語版」2008年7月7日 |