意識から規範化し
立法は一刻も猶予できない
「ここ数年、国内では動物虐待事件が何度も発生したが、結局道徳的に非難する程度のことしかできなかった。中国は直ちに動物福祉法を実施し、意識から人々の動物に対する態度を規範化しないと、動物を傷つける行為を最大限に抑制することができない」と華寧氏は述べた。
「動物福祉が強調しているのは人間が動物を利用できないことではなく、どのように合理的かつ人道的に動物を利用するのか、人間のために犠牲になる動物が最も基本的な権利を有することをできるだけ保証しなければならないことだ。」
1822年にイギリスが真っ先に世界初の動物福祉法である『マーチン法』を実施してから
187 年間にわたって、 100 余りの国と地域が、当国あるいは当地域の実際的な発展状況に合う動物福祉法を実施してきた。中国大陸はこの面でずっと停滞しており、現在に至るまで、まだシステムの完備した動物福祉法が出来ていない。
これに対して、華寧氏は、「国際標準に基づくと、動物は農場動物、実験用動物、伴侶動物、荷役動物、娯楽用動物と野生動物からなっている。各種動物が平等な地位をもち、同等に保護されるべきだが、現在、中国には総合的な動物保護基本法がないため、保護される動物の範囲が狭すぎ、『野生動物保護法』、『動物検疫法』、『牧畜法』、『生豚屠殺条例』、『実験動物管理条例』などの専門的な動物保護や管理の法律・法規しかなく、そのほかの動物の保護は長い間拠り所となる法律が何もない状態にある」と指摘した。
動物虐待によって誘発された社会問題について、華寧氏は、「動物虐待で生じた『反面教育』は世界観を形成しつつある次世代に悪影響を与えるだろう。動物福祉状況の悪下はますます中国の社会・経済成長の障害にもなっており、食品安全がおびやかされ、国民の身心の健康も影響を受けている。それ以外に、動物保護法規の不十分さは中国の国際社会におけるイメージ、名声に潜在的に影響を与えており、すでに新たな貿易障壁にもなっている」と述べた。
「以上の問題がますます深刻になっており、動物を愛護、保護するために立法し、人々の動物に対する行為を規範化し、中国の動物福祉法の空白を埋めることはどうしてもやらなければならない」と華寧氏は強調した。