■ 小康社会(ややゆとりのある社会)--キーワード:富と安定。象徴的な出来事:第11期中央委員会第3回全体会議。
「四人組」の粉砕宣言で10年にわたる文化大革命が幕を閉じ、第11期中央委員会第3回全体会議が開かれた。このことは、新中国が改革開放の新時代に入ったことを意味した。この時から、中国の社会と経済は健全な発展という良性軌道に入り、人々の生活水準の向上が中国政府の最重要課題となった。
1979年12月、障ナ小平は日本の大平正芳首相との会見で、「小康社会」の概念を初めて提起した。国民の平均収入と国民総生産の大幅な向上が「小康社会」の確たる指標となり、民主政治・社会の安定・国民の住居と職業の安定がその重要基準となった。
1982年、中共第12期全国人民代表大会で「小康」が国民経済と社会発展の段階的な目標となった。その後、障ナ小平の「一部の人が先に豊かになれ」という理論により、中国人の豊かさへの足並みは加速した。
第三代、第四代の指導者はこの障ナ小平理論の継承を基礎としている。02年11月8日、江沢民は中共第16期全国人民代表大会の報告で、今後20年間は小康社会の全面的な建設に取り組むことを明確にした。07年、胡錦涛は第17期全国人民代表大会の報告で、「小康社会の全面的な建設という奮闘目標の実現に向けての新たな要請」を発表し、「小康社会」に新たな意味を注入した。
■ 調和のとれた社会--キーワード:民主、幸福。象徴的な出来事:第16期中央委員会第4次全体会議。
21世紀に入り、新中国の改革開放の成果は日の目を見、衣食に事欠かず、ややゆとりのできた中国人は更に高い精神面を追求するようになった。その時運に応じて「民主・幸福・安寧・愉悦」を根本理念とした「調和の取れた社会」が生まれてきた。
04年、中共第16期中央委員会第4次全体会議で「社会主義と調和のとれた社会の構築」という理念が打ち出される。その主要内容は、「民主と法治、公平と正義、誠意と信用と友愛、充満する活力、安定して秩序があり、人間と自然が調和する」。
06年10月18日、中共第16期中央委員会第6次全体会議で「中共中央の社会主義と調和の取れた社会構築に関する重大問題の決定」が通過し、「社会の調和とは中国の特色ある社会主義の本質的属性であり、国家富強、民族振興、人民幸福の重要な保証だ」と指摘した。
「人民網日本語版」2009年9月24日 |