広西チワン族自治区東南部・博白県の沙河八一人民公社で植えた272ヘクタールの小麦が豊作だった様子。豊作の麦畑で作業する社員

  人類の生活の共同体である社会は国民の生活と国家の発展を直接反映する。60年間の中国社会の変化から新中国の歴史の進展と時代の変遷をひもといてみる。

  ■　平等な社会--キーワード：女性解放と一人ひとりの平等。象徴的な出来事：「婚姻法」の発布と「同志」の流行。

  中国では昔、数千年続いた封建的な婚姻家庭制度の影響により女性の地位は低かった。これにより無数の家庭で苦難が生まれ、社会の発展をも束縛した。

  1950年5月1日、中国の女性の「人権宣言」といわれる「中華人民共和国共和国婚姻法」が正式に発布される。それまで家庭に閉じこもっていた中国の女性は男性と同等の権利と地位を手に入れ、新中国の建設と発展の重要な力となった。多くの女性が最先端分野、さらには党や国の重要な部門で要職を担当するようになった。

  中国共産党は男女平等を唱えると同時に、新社会で一人ひとりが平等になるよう力を注いだ。かつて党内部で使われていた「同志」という呼称は社会全体で流行し、「同志」という言葉がかつて男女老幼、役人と庶民、金持ちと貧乏人の間に立ちはだかっていた境界を取り除き、「志と道を同じくする者」という親しみと温もりをもたらした。

  ■　ユートピア的理想社会--キーワード：共産主義。象徴的な出来事：大躍進と人民公社化運動。

  新中国成立当初、自らが主人公となった人民の熱意は高く、各地で急速な発展の勢いが生まれた。しかし目の前の情勢への理性的認識を欠き、客観的な経済法則を無視した結果、希望に満ちた願いに後押しされ、「大躍進」の嵐が次第に巻き起こった。

  1958年5月、中共八大2次会議で「大いに意気込み、常に高い目標を目指し、多く早く立派に無駄なく社会主義を建設する」の全体路線が通過し、大躍進運動が全面展開することになり、高い目標、急成長、大げさな共同所有を中心とした左傾錯誤が氾濫した。

  人民公社は大躍進運動の高まりに伴い生まれた産物で、従来の小さな合作社が合併して数千から数万の大集団が出来上がった。元合作社とその社員の財産はすべて人民公社に回収され、全社内で統一計算、統一分配、一部供給が行われた。「人民公社化」は当時生産力がそれほど発達していない時期に、人々が思い描いた「平等・平均・共産」のユートピア的理想社会であった。

  ■　社会の動乱--キーワード：打倒、専政。象徴的な出来事：文化大革命。

  1966年5月から1976年10月の間、「一切を疑い、一切を打倒する」を謳い文句にした全面内戦ともいうべき大災害が巻き起こり、無数の人々が冤罪による不当な待遇を受け、各業界は麻痺し、社会全体が大騒ぎとなる混乱の局面におかれた。それにより、新中国の前進の足並みは停止、後退する事態に陥った。

  中共第11期中央委員会第六回全体会議で通過した「建国以来の党の若干の歴史問題に関する決議」では、「文化大革命」は党・国家・人民に建国以来最も深刻な挫折と損失をもたらしたと指摘している。文化大革命は指導者の誤った発動によって反革命集団に利用され、党と国家、各民族の人民が深刻な災難ともいえる内乱の巻き添えとなった。

  ｢人民網日本語版｣2009年9月24日

  無産階級による文化大革命を支持する広州の紅衛兵列隊が1966年、市内でデモ行進を行う様子