本誌記者 繆暁陽

南寧市環境保護局の夏成副局長（繆暁陽　撮影）

上：昔の朝陽溪（周家志　撮影）下：今の朝陽溪（繆暁陽　撮影）

『辞源』によると、「邕（ヨン）」は、都市の四方に水があり、水に囲まれて池になるという。南寧は唐朝から「邕州」と呼ばれ始め、昔から「水」に縁の深いところだった。川はさらさらと流れ、歳月の痕跡を刻み、邕城（南寧市の別称）の変遷を映してきた。新中国創立当初の澄みきった川から、10年前には汚れた川へ、更に今では青く輝くさざ波に至るまで、南寧市の内陸河川は澄明から汚濁へ、また汚濁から澄明へと戻った。水質はなぜ変わったのか。どのように汚染を整備したのか。今後、どんな計画があるのか。先ごろ、本誌記者が南寧市環境保護局の夏成副局長に独占インタビューをした。

澄みきった「泉」が汚水に

ここ数年で、南寧市で最も大きく変わった内陸河川という話になると、南寧っ子が口をそろえて「朝陽溪」という名前を言うはずだ。都市の中心部を貫く朝陽溪の沿岸には30数万の住民が住んでいる。建国初期には川の水はとても清く、沿岸の住民が川で着物や野菜を洗い、子供たちが川で遊び、川から漂う楽しげな笑い声が全市に広がっていた。その後、工業の発展に従い、沿岸の企業が川に汚染物質を排出し続け、90年代に入ると、澄みきった川がだんだん濁って黒くなり、川から漂ってくるのは笑い声ではなく、臭くてたまらない匂いになってしまったので、「朝陽溝」という別称まであった。

朝陽溪のきれいな川から「下水溝」になってしまったことを振り返り、夏成氏は、「内陸河川は確かに新中国創立以来の南寧市における発展と変化の縮図だ。1960、70年代には、南寧市では『社会主義に環境汚染なし』という言葉が広く伝わっていた。80年代末まで、南寧市の汚染はずっと深刻ではなく、当時の川の水はとてもきれいで、今と同じように澄んでいた。90年代以前は、南寧市がずっと戦争の最前線であったため、国はここで大規模なプロジェクトを建設しなかった。1991年に中国・ヴェトナム関係の正常化を実現し、1992年に国務院は南寧市に対する沿海開放都市の政策の実行を許可し、90年代初めから、南寧はやっと本当に発展し始めた。経済発展に従い、製糖工場、でんぷん工場、製紙工場などの資源型企業が全面的に着手した。当時の工業廃液を処理する技術はまだ成熟していなかったため、1991年から、内陸河川の汚染問題が日に日にひどくなり、1995年から1997年まで、水質汚染が最も深刻だった」と述べた。

下水溝が「緑の回廊」に

90年代末から、南寧市は都市河川を整備するために、巨額の資金を絶えず投入し、水環境と都市全体のイメージ、水環境と市民の生活の調和のとれた関係を構築するために力を注いだ。南寧市政府は2000年に世界銀行から金を借り入れ、また自ら金策に走り、8億元を投資し、8年余りをかけて朝陽溪を徹底的に整備し、第1、2期工事が2000年から2002年までに完了した。今の朝陽溪は「下水溝」からきれいな川に戻り、両岸の緑地面積は0から3万2000平方メートルに達し、都市の中心部を貫く「緑の回廊」になっている。

夏成氏によると、ここ数年来、南寧市の工業汚染処理は製糖、製紙、でんぷん、アルコール、化学工業、建築材料などの重点業界をめぐって、工事の排出削減を強調し、国内外の効率の高く、先進的な廃水の生物化学的処理技術と中国で認可された石炭燃焼ボイラー排ガス硫黄分除去技術の導入を奨励し、汚染処理施設の建設を加速し、生産能力のレベルを全面的に向上させたという。また、同氏は、「内陸河川の汚染処理レベルの向上に従い、2000年まで、南寧市は汚染物質の排出総量をだいたい制御し、工業汚染源の主な汚染物質の排出基準達成をいちおう実現した。2005年から、省エネと汚染物排出削減を実施し始め、汚染処理において、クリーン生産と循環経済を推進した。2008年、南寧市内の左江、右江、邕江、郁江などの4江流域の水環境の品質は明らかによくなり、邕江の5つの集中式飲用水水源地の水質の各測定指標の基準達成率は全て100%になった」と語った。