栄えある偉大な三十年

中華人民共和国の三十年は、栄えある偉大な三十年である。それは、中国人民が内外の敵対勢力と複雑な闘争をすすめてきた三十年であり、まがりくねった道をたどって社会主義革命と社会主義建設の大きな勝利をおさめてきた三十年である。この三十年、わが祖国には天地もくつがえるような革命的変化がおき、その勝利の成果がうち固められた。

われわれは、労働者階級の指導する、労農同盟を基礎とした人民民主主義独裁、つまりプロレタリアート独裁の国家権力をうち立てた。この権力の中央から地方にいたる各級機構において、またその指導する各企業体、事業体において、さまざまな指導的ポストにある人びとは、その圧倒的多数が勤労人民の出身で、ひたすら各民族全人民の利益に奉仕している。この権力が全国的に（台湾をのぞく）うち立てられると、近代中国の長期にわたる分裂の局面には永遠に終止符がうたれ、広大な土地と多くの民族を擁するわが国で、全国各地区、各民族の大統一と大団結が実現した。こうした統一と団結は、全国人民の長年らいの共通の念願で、中国のいかなる搾取階級もぜったいに達成できず、ただプロレタリア階級に指導される人民大衆のみが達成しえたのである。わが国の人民政権を今後とも制度面、組織面で完全なものにしていく必要があるが、過去三十年、人民をもっとも幅広く結集して社会主義を建設し、内外の敵との闘争のなかで、この政権はすでに大きな役割をはたしてきた。英雄的な人民解放軍は、わが国人民政権の確固とした柱石である。党の指導に断固したがってきた人民解放軍は、社会主義革命と社会主義建設に参加し、それを防衛する闘争のなかで、全国人民と一致団結して、愛国主義、革命的英雄主義の精神を発揚し、偉大な功績を立て、同時に自己の革命化と現代化にも力をいれてきた。わが人民解放軍は人民の子弟兵の名に恥じず、祖国の金城鉄壁の名に恥じない。わが国の五十あまりの兄弟民族は根本的利益の一致をふまえて、団結友愛、平等•相互援助という新しい型の社会主義的民族関係をうち立て、いま、歴史的に残された事実上の不平等をちくじ取り除くことにつとめている。わが国の革命的、愛国的な統一戦線は、社会主義の時期にひきつづき発展し、社会主義の勤労者、社会主義を支持する愛国者、祖国の統一を支持する愛国者全員の幅広い政治的同盟となっている。

われわれは搾取制度を廃絶し、小生産者の私有制を改造し、生産手段の社会主義的共有制を全面的に確立し、「各人は能力に応じて働き、労働に応じて分配をうける」という原則を一応実現して、世界人口の五分の一をこえる中国人民を社会主義社会に進ませた。これはわが国の歴史におけるもっとも偉大な、もっとも徹底した変革である。わが国では、全人民所有制の経済も、農村人民公社と都市の各種形態の集団所有制の経済も、大きな発展をとげた。都市と農村のごく限られた範囲にいまなお残る勤労者の個人経営経済は、すでに社会主義的共有制の経済に付属し、これを補完するものである。わが国には、階級としての地主階級、富農階級、資本家階級はもはや存在しない。かれらのうち、労働能力のある圧倒的多数の者は、すでに改造されて、自分の労働で生活する勤労者となっている。各民族の労働者、農民、知識分子およびすべての愛国者は、みな国家の主人公である。わが国はいまなお発展途上の社会主義国で、社会主義制度がまだ不完全であり、経済と文化もまだ発達していない。だが、われわれの社会主義制度はかならずすべての困難を克服して発展をつづけ、ちくじ完全なものとなり、ついには現代資本主義社会よりもさらに高い生産力の発展水準を創出するにちがいない。これは逆らうことのできない歴史の流れであり、いかなる力をもってしても阻むことはできない。われわれが以前になめた挫折も、われわれの仕事のなかにいまなお存在する欠点も、さらにまた、われわれが今後なおぶつかる困難も、われわれの鋼のような科学的信念をいささかも揺がすことはできないのである。

われわれは旧中国の残した「一に貧窮、二に空白」という基礎のうえに、独立した比較的ととのった工業体系と国民経済体系をうちたてた。三十年らい、わが国では水利施設、化学肥料•農薬、農村の電気使用量、農業機械などが大幅にふえ、農業の生産条件がいちじるしく改善され、耕作制度と耕作方法もすくなからず改善された。一九七八年、全国の穀物収穫高は一九四九年の二•七倍にふえ、綿花は四•九倍にふえた。わが国の鉄鋼、電力、石油、石炭、化学工業、機械製造、軽工業•紡績工業などの工業部門は大いに強化され、多くの新興工業部門は無から有へ、小から大へと発展している。広大な内陸部と少数民族地区には、解放まえ、工業らしい工業がほとんどなかったが、今では数多くの新しい工業基地が建設されている。現在、全国の工業企業は三十五万をかぞえ、全人民所有制企業の固定資産は三千二百億元にのぼり、旧中国でほぼ百年間に蓄積された工業固定資産の二十五倍に相当する。わが国の工業発展は数回起伏があったとはいえ、国民経済回復の任務が達成された一九五二年から一九七八年に至るまでの年平均成長率が依然一一•二パーセントに達している。わが国の交通運輸と郵便•電信•電話事業も新たな発展をとげ、多くの地方のもともと交通が不便な立ち遅れた局面は面目を一新した。生産の増加にともなって、わが国の商業と貿易もたえず拡大している。工業、農業、商業の発展をふまえて、わが国人民の生活は解放前にくらべて、かなり大幅な改善をみた。三十年らい、わが国の国民経済諸部門のおさめた大きな成果によって、四つの現代化の実現という偉大な事業のためにかなりしっかりした物質的基礎がつくられ、依拠できる前進陣地が築かれたのである。

「北京週報日本語版」資料