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南京
(人)新しい時代の提灯職人 曹紅さん

 

提灯(徐蓓 撮影)

<自ら創業>

商業ビルの管理業務の収入は彼女にとって少なくなかったが、08年、彼女はやはりこの職を毅然と退き、自分の提灯工房を開いた。

「ほんとうは、3年前に改めて提灯づくりを始めていた。ただ、去年までは仕事の合間を縫ってつくっていただけ」と笑顔で話す曹さんは続けてこう言う。「だいぶ時間が経って、自分が提灯の仕事を嫌いじゃないことに気づき始めた。しかも、だんだん興味が湧いてきた。そして、曹氏提灯を一代一代伝えていきたいと思うようになった。私が伝えなければ、この技術は私の代で失われてしまう。自分の手で仕事の新天地を切り開いてみたいとも思った。今の提灯工房は大きくはないけど、自分だけの小さな企業だ」。

技術を磨き、芸術的な素養を身につけるため、曹紅さんは先ごろ、南京の金陵美術学院で美術研修を行った。

創業1年になる曹さんの商売はなかなかの成果をあげ、春節には彼女がつくった牛の提灯がわずか15日間で完売した。

<回帰>

曹紅さんの提灯には独特な工夫が凝らされている。デザイン面で使用する材料に工夫を凝らし、鮮やかな色使いをするなど曹氏の伝統を引き継いだうえで、彼女独自のものを融け込ませている。

材料では、伝統的な提灯に使っていた色紙をやめ、流行っている布生地を選んだ。「そのほうが携帯に便利。あるとき、お客様が買ってくれたウサギの提灯が、人ごみにもまれて孔子廟を出る前につぶされてしまった。ほかの土地から来てくださったお客様が家まで持ち帰るのはかなり難しい」。そう話す彼女は、ウサギ提灯をつくる際、前段の部分は従来のやり方でつくり、仕上げの糊付けのときに紙を布に変えたという。

現在、曹さんは2010年の春節に出すトラ提灯のデザインをすでに終えたが、まだ大量制作は始めていない。ここ数年、秦淮の提灯市場はベルトコンベア式の大量生産で作られる提灯に押されている。だが、この大量生産の攻勢に対しても曹さんは落ち着きはらい、「伝統的な手づくり提灯を好きな人はまだたくさんいると思う」と自信を持って言う。さらに、地方政府も秦淮提灯の保護を重視している。孔子廟の後ろには民間の職人の一人一人が持つ部屋があり、自分の作品の展示や販売に使っているという。

時の移ろいの中で、伝統工芸の継承者として提灯職人は、その根っ子を残すことの寂しさを黙々と引き受けたこともあったようだ。だが、文化の味わいを残したうえで、産業として効果的に利益をあげる道も再び掘り起こされたと言えそうだ。曹紅さんが言うように、クリエイティブな部分を維持しつつ、伝統を受け継いでいくことは両立できるのだ。提灯もその例外ではなく、都市自体もまたそうなのだろう。

「北京週報日本語版」 2009年9月

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