“農民は畑を耕作、政府は補助金を支給”

  「安定は何よりだ」。社会の安定が回復した後、国民に実益をもたらす政策がつぎつぎと打ち出された。

  04年、河南省は「穀物栽培農民への直接補助金実施案」を下達し、全省で食糧市場価格の自由化、穀物栽培農民への補助金直接支給などの政策を普及させ始めた。

  05年12月、第10期全人代第19回会議では、06年1月1日から「農業税条例」を廃止する決定が採択された。国は農業生産の従事者と農業による収入がある部門と個人からの税金徴収を停止した。俗に言う「上納穀物」の徴収を停止したのだ。

  「農民は畑を耕作、政府は補助金を支給」というスローガンは壁に書かれただけでなく、農民の心に深く入った。農民たちはこの政策を自分なりに「穀物上納がなくなった上、補助金までもらえる」というふうに理解した。

  内郷県乍曲郷の黄超軍さん一家は、0.47ヘクタールの畑を受け取っている。野良仕事は年を取った両親だけでうまく耕すことができ、毎年1万元以上得ることができる。黄超軍さん夫妻は1年中よそで働いて、年収は2万元以上もあり、生活には余裕がある。

  内郷県灌漲鎮は伏牛山の南麓にあり、暖かく湿潤な気候で、葉タバコの栽培に最適だ。しかし、1990年代初頭までは、灌漲鎮全般の葉タバコ栽培面積は13ヘクタールに過ぎなかったが、現在では、すでに470ヘクタールまで増えている。

  今はすでに灌漲鎮農業経済管理ステーションの責任者になった齊保東さんは、スローガンを書いた宣伝の展開は、農民たちが小麦など従来の農作物の栽培を放棄し，葉タバコの栽培へと転換を図るカギになったと見ている。

  「葉タバコ栽培で財政収入を増やし、豊かになろう」

  「多種類の葉タバコ栽培で収入を増やそう」

  以上のスローガンは齊保東さん自らの手になるものだ。

  葉タバコ栽培面積の拡大につれて、農家の収入も増えてきた。灌漲鎮人民代表大会の王秀建主席によると、小麦を植えれば、良い作柄と高い販売価格で計算しても、1ムー当たりの所得は約1000元に過ぎないが、葉タバコだと3000～4000元に上るという。

  すでに葉タバコ栽培が大規模になったため、現地の煙草会社は、栽培農家に代わって無料で畑を耕し、井戸を掘るほか、近辺にタバコの葉を乾燥させる工場も数カ所設立し、乾燥加工も無料で提供している。現在、葉タバコ栽培は内郷県で代表的な産業となっている。

「北京週報日本語版」2009年9月11日