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共和国の普通人
都市の変遷を体験してきたカメラマン

 

人民に奉仕

1966年以降、真美写真館の支配人を務めた王炳慈さんは毎年、仕事が忙しくない時に1カ月を割いて、同僚と一緒に撮影機材や現像機材を持って辺鄙な農村や森林地帯、鉱区に行って、庶民のために写真を撮り、「サービスを第一線まで送る」という活動を続けてきた。現地の条件がきついため、彼らは携帯食品を用意し、さまざまな交通手段を利用して、昼夜兼行で目的地に赴いた。

伊春森林地帯で発生した恐ろしい一幕はいまだに王さんの脳裏に鮮明に残っている。当時、撮影任務を終えた王さんと同僚が木材を運ぶ列車でハルビンに戻る途中、木材を縛っていた縄が急に切れた。木材が滑り落ち、列車のブレーキも効かなくなった。緊迫した状況のもと、同僚は、列車を飛び降りて避難しようと提案したが、幸いに運転士が列車を緊急停止させ、一行は難を逃れた。

「『サービスを第一線まで送る』という活動は、融通のきかない規定でもなければ、いかなる手当や物質的な奨励を与えられるものでもなかった。われわれはひたすら『人民に奉仕する』という満腔の情熱に頼ってやっていたのだ」と王さんは率直に言う。王さんとその同僚たちは数年をかけて黒竜江省全域に足を運び、最も遠いところは大興安嶺にまで至った。

平々凡々な日々は何よりだ

1970年代中期、大勢の知識青年(文革中、高校や中学を卒業し、農村や生産現場で労働に参加していた青年)がハルビン市に戻ったのに伴い、真美写真館の業務量は閑散期と最盛期の区別もなくなった。王さんとその同僚たちは毎日、十数時間にわたって仕事をし、知識青年のために写真を撮り、「サービスを第一線まで送る」という活動もここでストップした。数年後、結婚記念撮影が流行ってきたため、王さんの仕事もこちらへとシフトしていった。

「その当時の結婚記念写真は白黒、ワンセット30元足らずで、4寸(約13センチ)の上半身写真1枚、6寸(約20センチ)の単独写真2枚、8寸(約26センチ)の全身写真1枚、12寸(約40センチ)の着色引き伸ばし写真が含まれていた。夫婦二人がただ肩を並べるだけのポーズで、服装も一通りだけで、いまの写真館のように選択できる服装やデザインがたくさんあるということはなかった」と王さんは振り返り、「300ワットの電球を10個つけると、新婚夫婦の表情が直ちに硬くなった。カメラマンの私は雰囲気を出し、お客さんの気分を変えて、最も美しく、最も自然な表情をつかむのがポイントだった」と説明する。

1986年、真美写真館は真先にカラー写真時代に入った。手描きのあずまや、楼閣、色とりどりの道具がスタジオに彩りを添え、現像された写真も白黒写真より質感と美観を増した。「改革開放につれて人々の生活は物質的に豊かになり、思想や観念も幅が広がり、活発になってきた。最も大きな変化は、写真を撮られるとき、硬くなって緊張する人がますます少なくなり、自我を表現し、個性を追求する人がますます多くなってきたことだ」と王さんは言う。

1995年、王炳慈さんはカメラマンの仕事をやめて、将棋をしたり、散歩したりしてのんびり過ごす退職生活を送り始めた。たまたま写真館の前を通るとき、王さんはいつもショー・ウインドーの前で足を止め、中の写真を見る。そのとき、昔の仕事している光景が走馬灯のように脳裏を去来する。

何の賞も栄誉も受けたことがない王さんの仕事人生は平凡だった。写真と付き合って数十年となる王さんは、政府の役人から普通の庶民にいたるまで、千万にも上る顔をカメラで写してきたが、彼の手には自分の写真は1枚たりとも残らなかった。それでも、王さんが慰められたのは、ハルビンの4大写真館のうち、真美写真館だけが今でもなお経営を続けていることだ。

最後に王さんは「写真は時代の特徴を最も直接的に反映でき、時代のしるしをいっぱい残すものだ。写真業はサービス業の中でも技術性が高く、細分化され、競争も激しい業種。人材の育成、生産設備、思想観念の面で時代の流れに乗ってこそ、激しい競争の中でしっかりやっていける」と言い、「自分の写真は一枚も残っていないが、数十年にわたるカメラマン人生の中で、この手で写したり、現像したりした写真を通じて、人々の生活レベルが高まり、ハルビンの町が大きく変わり、国が発展してきたことを実感した」と感無量の様子だった。

「北京週報日本語版」2009年8月13日

 

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