23日に行われた北京五輪のシンクロフリールーティン決勝で中国チームが銅メダルを獲得したことを見届けたあと、井村雅代ヘッドコーチは笑顔ですべての選手たちと互いに抱き合って祝福した。選手たちと違って彼女は泣かなかった。「今はまだ涙を流す時ではない。これは私にとっては驚きや喜びを覚えるものではなくて、われわれの努力目標だ」と井村コーチは話した。
日本でシンクロの母と呼ばれる井村雅代コーチが中国に招聘されたばかりのころ、一度日本のメディアに“裏切り者”と非難されたことがあるが、中国チームと日本チームの競争の問題をめぐって、井村コーチは「私は現在、中国チームのコーチであり、私の任務は最大限に中国チームを率いて最高の成績を獲得することだ」と率直に答えた。
2007年1月から中国女子シンクロチームのヘッドコーチを担当したあと、井村コーチは練習の構想ややり方の面で、新しいものをたくさんもたらした。同時に、たいへん仕事熱心なコーチとして彼女の指導は厳格だった。その時から中国シンクロ代表チームの選手たちは、国家スポーツ総局訓練局の中で最も早く来て最も遅く帰るチームとなった。
猛練習をした結果、中国チームは基礎能力に大きな進歩が見られるようになった。続いて、井村コーチは細かい技術からみっちり叩き込んだ。井村コーチの努力によって、中国チームは2007年世界水泳選手権チームとデュエットの競技でそれぞれ第4位を獲得し、今年初めに行われた「グッドラック北京(好運北京)」五輪トーナメント戦でデュエットの銀メダルを獲得した。今大会ではチーム銅メダル、デュエット第4位に輝いた。これはすべて井村コーチ一人だけの功績ではないものの、まさに、彼女が言うように「中国の女子選手の素質はとてもすばらしいが、私がやったのは彼女たちの力をすべて出したことだけだ」。「中国のシンクロナイズド・スイミングは今大会で第3位を獲得した。これはアジアで第1位を占めたということ。私はアジアが世界一になることを願っている」と彼女は話した。
井村コーチは、中国のシンクロナイズド・スイミングの進歩と記録更新のために自らの力を捧げた。
「北京週報日本語版」2008年8月27日 |