米「ニューヨーク・タイムズ」のウェブサイトは12日、「調和と夢」という文章を掲載した。文章には「中国の台頭は経済的事件というだけでなく、文化的事件でもある。調和の取れた集団主義の社会構築という夢は米国の夢と同様に魅力に富むものかもしれない」と記されている。
文章によると、世界各国の間にはさまざまな差異があるが、最も関心を集めるのは個人主義を尊ぶ社会と集団主義を尊ぶ社会との違いだという。
もし集団主義社会が経済的停滞から急速に脱却したら、その結果はどうなるのか?もし集団主義社会、特にアジアが経済で台頭し、西側諸国と対等に振舞ったら、その結果は?新しいタイプの世界対話が生まれることになるだろう。
北京五輪の開幕式はこのような対話だ。中国は世界に、西側の自由な方式によって発展を達成できるだけでなく、東洋の集団主義の方式で発展することも可能であることを確固として示した。
中国の悠久な歴史を示した開幕式で最も注目を集めたのは、数千人の中国人の整然としたパフォーマンスだろう。一糸乱れず缶を打ち、踊り、正確な編隊で駆け巡り、いなかるミスも混乱もなかった。これが現代の集団主義であり、ハイテクで示された高速成長を背景にした中国の調和の取れた社会の光景だ。
米「ニューズウィーク」サイトは「孔子とオリンピック」という文章を載せた。
文章によると、北京五輪は視点の変化を象徴するものだとして次のようにいう。中国は20世紀のほとんどの時期において、自らを、一撃にも堪えないほど弱く、歴史的な輝きを失った国だと見てきた。現在、中国は強くなるとともに、世界に注目される「得るべき」地位を改めて獲得しようとし始めている。儒教が強調する道徳の力が改めて取り上げられるようになり、政府も世界の人心を得るため、道徳、礼儀、規範を大切にするようになった。
北京五輪の開幕式は明らかに儒学の価値観を褒め称えるもので、恨みや全体主義の情報を伝えるものではない。開幕式では子供が目立った位置に置かれ、その中には汶川大地震で同級生を救出した9歳の子供もいた。
「四海はみな兄弟」、「友あり遠方より来る、また楽しからずや」という「論語」の名句が開幕式を通じて世界中の数十億の人々に伝わってきた。
儒学思想に影響されたマナー運動が成果をあげているようだ。この1年間、外国人への礼儀正しい応対、相手チームに対する観客の応援、勝利選手の敗退選手に対する尊重など、北京の人々に対するマナー教育が各方面から大いに促されてきた。8日に行われた開幕式では、中国の選手たちが入場した際の歓声が比較的抑制された。アメリカとロシアの選手は中国選手の金メダル獲得の主な対戦相手であるが、入場した時、中国の観衆に歓呼の声を送られた。今回のオリンピックでは、自民族中心主義の傾向が過度に現れることはないだろう。
「北京週報日本語版」2008年8月15日
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