北京五輪開会式終了2時間後の9日早朝2時、開会式の総合演出を手がけた映画監督・張芸謀(チャン・イーモウ)氏が北京五輪公式ウェブサイトのスタジオに駆けつけ、真っ先にインタビューに応じた。第29回五輪公式ウェブサイトが伝えた。
張芸謀氏は「写意の世界を通じて夢幻とロマンの雰囲気をつくり出し、世界の言語で中国人の思いを描き出すこと。これが開会式で表現したい境地」と話す。開会式では中国人でも外国人でも分かる方法で、格別に美しい中国のストーリーを展開。巨大な巻物が古琴の深く重い音色とともに開いた瞬間、見る人すべてを震撼させた。この長さ147メートル、幅27メートルの巨大スクリーンが中国5千年の歴史を映し出す。この場面から開会式が始まり、四大発明(製紙・羅針盤・火薬・活字)、漢字、戯曲、シルクロードなど中国の輝かしい文化が神秘的に一つ一つ披露された。
開会式の総合演出を手がけた張芸謀(チャンイーモウ)氏は、外国人がわずか50分のアトラクションを見て、すぐに文化を理解できると期待していないという。しかし、中国文明の深遠さを表現すると同時に、それを表現する上で、自分だけがわかって、他の人は何も感じないようではいけない。外国の人にもすべてではなくても分かってもらうため、相手の立場に立って考える。中国人が外国の文化祭を見て「美しい」と感じる、その国の人々のロマンチックな雰囲気を感じるだけで十分だ。「文化というのは知らずのうちに感化するもの。開会式で中国人が創り出した「美」、中国人が表現する夢とロマンと情熱、それに五輪精神への称賛を感じてもらうだけでいい」と開会式の演出に込められた思いを語る。
また、開会式の全過程で最も本質的かつ最も直接的な表現の追求が必要だったという。いわゆる本質というのは全人類共通の追求。開会式で世界各国の子供たちの笑顔が数千枚登場する。こういった最も直接的かつ簡単な方法は、「子供は未来の代表」という私たちが伝えたいことが一目でわかる。
さらに、演目の始めから徐々にはっきりと仕上がっていくあの「山水画」は、山・川・大地・太陽、そして絵を描く子供たちの笑顔、選手たちが残した足跡で最終的に完成。この絵画を創作する過程で、「一つの世界、一つの夢」というスローガンの色合いが直接伝わるようになっている。
「人民網日本語版」2008年8月9日 |