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本誌報道  
北京五輪、歴代大会以上の脅威にいかに対処するか

 

北京五輪が差し迫って安全確保の各措置も実施段階に入った。だが、北京五輪は「寂しい五輪」となるのではないかと懸念する西側メディアの声も出ている。それらは五輪の安全保障措置が「安全の傘」ではなく、競技場のために築いたものものしい警戒の高い壁だとしている。

7年前に北京五輪招致委員会が国際オリンピック委員会に行った「第一の公約」は安全保障に関するものだ。だが、その2カ月後の9月11日に米国でテロ事件が発生したことで世界が変わってしまい、人類の祭典と見られているオリンピックも真っ先にその矢面に立ち、変わらざるを得なくなった。

「第一の公約」を履行するため、中国は五輪史上で最も厳格な「全体防備」システムを構築し、一連のかつてない安全措置を講じた。例えば、北京に入る列車の乗車券購入に際して実名制を実施したり、地下鉄で安全検査を設けたり、北京に入る車をコントロールしたり、入国者のビザ審査を厳しくしたりする措置だ。7年前と比べ、今日の安全措置は当時公約した内容をはるかにオーバーしている。

評論家は「世界では『9.11テロ事件』後、五輪の安全保障の難しさはエスカレートする傾向にあり、アテネ五輪の安全投入が15億ドルという基準を見てもその難度を推し量ることができる」と指摘している。中国では、国際情勢や政治的環境の複雑化が顕在化し、テロリズムの脅威が回避できない現実となっている。世界一の人口大国としての中国は、広大な国土や56の民族、5つの宗教を擁し、国境を接している国が多いため、政治、経済、社会、文化的環境が非常に複雑だ。消息筋によると、中国はすでに五輪の安全環境に対し大規模な評価を行い、外国駐在機構もこれに関連する諮問を受けている。だが、今年3月14日にラサで発生した暴行・破壊・略奪・放火事件が北京に対して警鐘を鳴らした。このほど、ウルムチ警察が東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)のテログループを摘発した際には双方の間で武力衝突が起こり、5人が死亡、2人が負傷した。これらの事実が表しているように、中国を標的にした外部の反対勢力は、「民族運動」といった類の平和的抗議から、暴力で「チベット独立」、「新疆独立」を訴える行動へとすでに変わり、北京五輪が直面する脅威はこれまでの五輪大会を超えている。

これまでに80カ国の国家首脳が北京五輪の開幕式に出席するとしており、主催国の中国は安全確保の面で空前の圧力の下に置かれ、重大な責任を持っている。

こうした環境の中で、中国政府は五輪主催の心構えを調整している。習近平国家副主席は今月9日に開かれたオリンピックとパラリンピックの動員大会に出席した際、「平穏無事な五輪の実現を確保しよう」と強調した。習近平副主席の随行員は、安全に責任を負う中央政治局常務委委員の周永康氏だった。

北京五輪を成功させる前提はほかでもなく安全であり、北京五輪組織委員会は「最もよい五輪大会」の開催という理念から「セーフティ五輪」の確保という理性的な理念へと立ち戻った。この結果は、近年来中国政府が打ち出した「人間本位」の執政理念とぴったり合うものである。「防備を主とする」という考え方のもとに、中国政府は技術面から着手する一方、政治ルートを通じて安全面における潜在的な危険性を積極的に解消している。このほど、中央の関係部門がダライラマの代表と会談した時、先方に「四つの不支持」を提起したことは、「チベット独立」分子の五輪破壊の企みに対して予防と抑圧の効果があるだろう。国際オリンピック委員会の安全保障専門家の言うとおり、「北京のやり方は非常に聡明で、先を見通したものだ」。

もちろん、五輪の厳格な安全措置はさまざまな不便ももたらしている。しかし、社会学研究に携わるある学者は「公民としては私利を犠牲にしなければならない時もある。自分のいる都市で五輪を開催することによる少しの不便は我慢できるものだ。これは、汶川大地震の際に乗客が空港で救援機を気長に待ったのと同じことだ」と言う。

実は、北京五輪の安全保障措置には、「締める」面もあれば、「緩める」面もある。「ウォールストリート・ジャーナル」紙は10日、外国のテレビ局が北京五輪期間中に天安門広場を含む場所で生中継することが認可された、と報道した。

テロリズムの前では締めるが、世界の前では緩める。セーフティ五輪とオープン五輪とは合い助け合うもので、傘をさす必要があれば傘をさし、壁を築く必要があれば壁を築くものだ。

「引き締め」と「緩和」とは、中国が開放された、責任を持つ国だという姿勢とイメージを示すものだ。

「北京週報日本語版」2008年7月16日

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