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本誌報道  
どうする、五輪終了後の競技場

 

延べ床面積6万平方メートルの「水立方」は、五輪大会の前後でその使用計画は大きく変わる。後期運営計画では、五輪後は1万7000席のほとんどを取り払うと1万平方メートル余りの2階建て建物が増えることになり、ここにレジャー施設を建設することによって「水立方」の商業比率を30%以上にするという。

北京市政府は五輪競技場を新たに建設する際、一部の競技場を大学キャンパス内に建てることも含めて、すでに五輪後の利用率の問題を考慮に入れていた。とりわけ、建設と投融資の面で多くのパターンを試みた。たとえば、「政府主導、市場化運営」の原則を徹底させ、以前のような「投資は政府、運営は主管部門、欠損の補填は財政」という古いパターンの競技場を排除することだ。北京が責任を担う新たな競技場と付帯設備の建設プロジェクトに対して、市政府は必要な投資を保証したうえで入札方式を採用し、落札した法人が当該プロジェクトの融資、設計、建設、運営に責任を負うという道を選んだ。投資の見返りとして、落札者は一定の政策上の優遇措置を受けられるほか、国家スタジアムとオリンピック水上公園などの落札者は08年五輪後30年間の特許経営権を得ることになっている。

陳林氏は「五輪競技場の建設は特許経営の運用を通じて市場経済手段を十分に利用し、社会化された投融資メカニズムを築き、政府の投資負担とプロジェクトの運営リスクをそれなりに軽減させる」と話す。

五輪大会の開幕式、閉幕式が行われる国家スタジアム(鳥の巣)プロジェクトで採用されたのは、政府が出資(総投資額の52%以上)して建設し、建設後は企業が管理する、という政府と企業による協力モデルだ。国家スタジアム有限責任公司の副総経理である張恒利氏は、「“鳥の巣”は大型の文化・スポーツイベントを主体に人の流れを吸収することを踏まえ、スタジアム内の商業施設や広告、グラウンドの貸し出し、命名権などの経営を通じて基本的な利益を実現する。延べ床面積25万8000平方メートルの“鳥の巣”は商業面積の比率は35%前後で、その中にはホテル、レストラン、スーパー、クラブ、高級品売場などの業態が含まれている」と言う。

かつてはスポーツ施設の商業運営とスポーツそのものが「分家」し、大規模家具店に変身したような例もある。北京五輪競技場の運営は、スポーツイベントと文化活動により多く依拠して人の流れを引き寄せ、商業発展を牽引することになる。「公共性を具えた五輪競技場の運営では、その本来のスポーツという機能を考慮に入れないわけにはいかない。しかも、この機能は大きな比率を占めており、直接的に価値を創造できるものではない」と張恒利氏は語る。さらに、商業化の浸透はスポーツ発展の推進力だという同氏は「商業化運営によってスポーツイベントを持続的に発展させることは、まさに五輪大会を成功裏に開催させるための指導的思想だ」と話す。

北京市政府は昨年から3年間連続して毎年5億元を出してスポーツ産業の発展を支えることにしているが、その目的は政府レベルでこれを推進して、五輪前後のスポーツブームを維持させることだ。これらの投資はさらに多くの世界的な一流イベントを呼び寄せることに使われ、使用率を維持し、北京を国際的なスポーツイベントセンターにすることになるだろう。

また、中国政策科学研究会の刊行誌『楼市(ハウスガイド)』によると、「鳥の巣」も含む一部の五輪競技場は大会後の命名権の売却を検討中だという。

命名権は先進国の大型競技場の最も重要な開発項目の1つだ。北京体育大学の体育経済・産業教研室主任である林顕鵬教授は、「命名権などを代表とする無形資産の開発は大型競技場の最も中心的な収入の道であり、無形資産を有効的に開発できるかどうかに五輪競技場の経営の成否がかかっている」と指摘する。

これまで中国では商業的な名称がつけられた競技場は数少ないが、北京五輪のメインスタジアムとして「鳥の巣」は疑いなく、この壁を突き破るだろう。「国内外の企業はみな“鳥の巣”の命名権獲得に向けた競争に参加できるが、選択する際には、決して金銭至上主義はとらず、極めて慎重に企業ブランドを考慮するつもりだ」と張恒利氏は言う。

競技場を利用して観光業、コンベンション産業を発展させることもその利用率を高めるための有効な方法だ。五輪競技場設計の過程では最初からみな大会後の展示会場としての機能を考慮しているが、北京市自身が市場能力と情報集中機能を有しているため、同時にその他の基礎的な付帯施設を完備させて、北京は次第に国際展示会場の重要な都市としての歩みを踏み出している。

今後の計画では、北京はオリンピック公園を中心とした新エリアの建設に工夫を凝らしている。このエリアは1990年にアジア競技大会が開かれた場所だが、中核産業による開発が足りなかったため、十数年間、真の繁栄を成し遂げられずにきた。「北京都市総体計画」(2004-2020)に基づき、この新しいエリアでは観光、スポーツ、文化、情報、会議・展示会などの産業の導入に力を入れるとともに、事務サービス・金融サービス業の発展を加速させることになる。

「北京週報日本語版」 2008年6月23日

 

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