本誌記者 唐元愷
張芸謀監督は、誰よりも8月8日前後の天候に関心を持っているようだ。北京五輪の開・閉幕式の総合プロデューサーを務める同氏は、最大の懸念は開幕式の日に大雨が降るかどうかだ、と率直に語った。彼は当然ながら、念入りに計画した野外のパフォーマンスが雨のせいでおじゃんになってほしくないのだ。
雨天の場合は、室外競技の正常な進行にも、アスリートが実力を発揮し記録を出すのにもマイナスだ。
07年8月8日、北京五輪の「消雲減雨」訓練がフフホトで行われた。「Y-8型機」に触媒材料をセットする関係者。(撮影:李雲平)
北京のここ30年の気象データの分析結果は、ひょっとしたら張監督らを少し安心させるかもしれない。8月の北京五輪期間中に豪雨など極端な天候がもたらされる確率は極めて小さく、30年間で1度発生しただけだ。
しかし、豪雨の可能性がないとしても、これは雨が降らないことを意味するものではない。北京市の「人工影響天気弁公室」の張薔常務副主任が示した数字は、張芸謀氏を不安にさせるかもしれない。それは、歴史的に8月8日の北京の降水確率は47%、というもので、「この確率は今年の8月8日に雨が降るという予報ではない」と張薔氏は言うのだが。
北京が五輪の招致申請をしたときに決めていた開幕日は7月25日だったが、この日から8月10日まではちょうど北京の増水期に当たるうえ、高温、高湿度の「サウナ日」が集中する時期でもある。このため、招致に成功したあと、北京は1~5週間遅らせる考えを示した。「最も理想的なのは2週間後にずらすことで、最終的にIOCは北京五輪の開幕を8月8日に決めた」と北京市気象局気候センターの郭文利主任は言う。
このあと早い時期に北京の気象機関はまず、ただちに関係部門に協力して、天候状況に基づき、それぞれの競技に適した気象条件に照らして合理的に競技時間を割り当て、競技が順調に進行できるよう保証した。
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