しかしながら、日系グローバル企業は中国人経営者の育成をこれまで重視しておらず、その結果日本国籍の経営者を数年おきに交代し中国に派遣するという制度が、現在まで続けられている。中国に進出した日本企業は「チャイナリスク」を恐れる余り、中国社会への溶け込みを望まず、日本人同士が付き合う「日系企業村」を形成した。人材経営面でかくも保守的な「プライバシー重視」の日本主要製造メーカーが、中国で研究開発センターを設立するのは稀だ。
日系企業の中国現地化に対する消極的な姿勢は、自らの過度な自信と大きくかかわっている。彼らは中国市場がまだ成熟しておらず、欧米や日本の市場と比較できないため、その市場の特徴をわざわざ研究する必要までもないと考えている。「日本国内の成功経験を中国にも適用できるはず」、「日本国内で有名で、良い商品さえ作っていれば、現地化経営を実施しなくても中国で成功できる」、「中間管理職の現地化だけを行い、高級管理職は本社から派遣すれば、効果的な管理を実現できる」といった観点には客観的な根拠もあるが、このような傾向が長期化すると、現地化が日本企業の中国におけるボトルネックとなった。市場に大きな変化が生じ、人材・経営管理・販売と調達・製品開発などの面で中国社会と一定の隔たりを持つ日本企業は、市場競争の犠牲者になるだろう。日本企業は最も早く中国に進出し、かつて輝かしい成功を手にした。しかし「中国化」の拒絶、進歩を続けようとしない惰性的思考により、多くの日本電機大手が中国市場で存在感を失いつつある。
先ほどの一部の日本企業による現地化重視の動向は、外交問題による影響を免れるための一時的な措置に過ぎないかもしれないが、多くの日本企業は確かにこれまでのやり方を見なおしており、「郷に入りては郷に従え」の主張を開始した。これは歓迎すべき動きである。日本企業は先進的で厳格・公正な日本式経営管理を維持すると同時に、これまで以上に中国社会に溶け込むべきだ。(編集YF)
「人民網日本語版」2012年12月4日
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