とにかく、もっともらしく見える観点については、真剣に検討する必要がある。筆者は次の通り、中日両国の経済現状および相互依存度を分析した。
一、日本経済の輸出依存度に関する分析
日本経済は前世紀より「輸出指向型」成長方式を形成したが、これに伴い制定された輸出奨励・輸入抑制・外資進出阻止といった一連の政策は、現在もほぼ変更されていない。1950-80年代後期の日本経済は、高度・中度の成長を実現し、ピークに達した。円高を急激に進行させる市場メカニズム調整を受け、日本では過剰投資・過剰設備・過剰雇用・過剰生産が生じた。過剰経済の調節により、日本は「失われた10年」を経験した。新世紀に突入し、中国経済が台頭し、新たな高度成長期に入ると、力強い外部需要により日本経済が再び泥沼から脱却し、景気回復を続けた。
日本の輸出指向型経済による景気回復の特徴を見ていこう。まずは外需と輸出の増加により、日本企業の設備需要が増加し、産業川下の材料の需要が増加する。次に、日本の製造業・産業チェーンの経営は、川上から川下へ、局部から全体へと、徐々に回復する。企業の営業収入が増加し、利益も増加することで、企業は社員により多くの給与を提供でき、社員も消費に積極的になる。こうして日本は生産からサービスにいたるまで、製造から消費にいたるまで、社会全体の景気回復を実現する。言い換えるならば、日本の輸出指向型経済の成長方式が稼働している場合、輸出は第一の原動力、投資は第二の原動力、消費は第三の原動力となる。第一の原動力は根本的な原動力であり、投資と消費はそれに続く補充的原動力だ。根本的な原動力がなければ、日本経済の回復は実現されない。そのため、日本経済の輸出依存が静的なものだという理解は、実情に合っていない。
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