G20財務相・中央銀行総裁会議がこのほどメキシコで開催された。閉幕後に発表された共同声明は、世界経済に影響する複数のリスクを列挙し、日本版「財政の崖」問題が、欧州と米国の後に続き挙げられた。米国版「財政の崖」と異なり、日本版「財政の崖」は、赤字国債発行法案が依然として可決されていないことが主因となっている。経済之声「央広財経評論」が伝えた。
◆日本版「財政の崖」迫る
財務省の計算によると、「特例公債法案」が可決されなかった場合、日本の財源が11月末までに枯渇する。仮にそうなった場合、公務員の給与未払いや、年金等の社会保障費の支給停止といった、社会危機が生じる恐れがある。共同通信社の最新の情報によると、自民党と公明党は昨日「公債発行特例法案」(修正案)を可決し、「特例公債法案」の会期内の可決に向け基礎を固めた。「特例公債法案」が可決された場合、日本は「財政の崖」を回避することになる。しかし短期的な財政危機が回避されたとしても、日本の財政が直面する中長期的な構造問題は解決がより困難だ。経済之声のコメンテーター、中国社会科学院日本研究所経済研究室主任の張季風氏が、同問題について語った。
----「特例公債法案」が可決されなかった場合、日本は非常に深刻な財政状況に直面するか。
張氏:本当に可決されなかった場合、理論的にも実践的にも厳しい状況に追い込まれる。民主党・自民党・公明党の幹事長は昨日合意に達し、明日にも法案が可決される見通しとなった。日本は短期的な財政の崖を乗り切ることができるが、その後は赤字国債発行により財政を維持しなければならない。これは毒酒を飲んで乾きを癒すようなものだ。
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