商務部(商務省)は8日に公告を発表し、今月9日から欧州連合(EU)と日本を原産地とする高性能ステンレスシームレス鋼管を対象に、9.2-14.4%のダンピング税を課すことを決定した。課税期間は5年間。「新京報」が伝えた。
同公告によると、調査機関は調査の結果を踏まえ、調査期間中に対象製品にはダンピング行為が存在し、中国国内の関連産業が実質的な損害を受け、ダンピングと実質的な損害との間には因果関係が存在したという最終判定を下した。
鉄鋼産業アナリストの李記紅さんは鉄鋼情報サイト「我的鋼鉄網」の中で、「鉄鋼輸入の8割は日本とEUからのもので、昨年は鋼管13万9400トンを輸入した。これを中国の生産能力約5千万トンと比較すると大した数字ではないし、ステンレスシームレス鋼管は約3万トンにとどまる」と述べた。これはつまり、日本とEUにダンピング税を課しても、苦境に陥っている国内鋼管企業に実質的な好材料を与えることにはならないということだ。だが業界では、ダンピング課税が勢いのある海外ハイエンド製品の輸入に歯止めをかけるとみなされている。
中国が輸入するステンレスシームレス鋼管は高性能で付加価値の高いハイエンド製品で、昨年の平均輸入価格は1トンあたり約3万1千元だった。だが今年1-9月には日本・EUからの輸入量が昨年全体の水準に迫り、価格も昨年を2千元上回った。
李さんは、「現在の国内シームレス鋼管企業の状況はそれほど楽観できるものではない。鋼管生産ラインの一般的な稼働率は60%前後だ」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2012年11月9日
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