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日本、予備費で経済喚起策 一時しのぎ?

だが経済喚起措置の実行可能性や効果には疑問が残る。現在、市場の投資家の多くは、日本政府が当面の環境の中で外国為替市場に大規模に介入し、干渉することはないと考えている。実際、日本政府と日本銀行(中央銀行)は円高への警戒を緩めず、市場に介入して円の上昇を抑制するとたびたび発言しているが、実際の行動には限界があり、効果も短期的だ。なんといっても為替市場への関与は最後の手段であり、多用してはならないものだ。円高が日本の輸出企業の信頼感を揺るがしており、企業の利益獲得の可能性を飲み込んでいる。また日本と周辺諸国との間で領土問題に端を発した貿易紛争が発生していることが、輸出主導型の国である日本に強い圧力を与えており、欧州の債務危機により引き続く困窮が、外部需要に深刻な影響を与えてもいる。こうした問題は短期的なものではなく、日本が単独で解決することは不可能だ。

日本経済は過去数カ月間にわたり、震災後の経済喚起政策に後押しされる形で復興を遂げた。だが震災後の支援政策がなくなると、自動車需要や公共投資などの分野の伸びは不可避的にエネルギー不足に陥った。「輸血」するような支援のやり方では、長期にわたり「足が不自由」になっている日本経済を回復させることはできない。今回の野田首相による新たな大規模な経済喚起措置が一時的な効果しかない「強心剤」に過ぎないのかどうか、しばらく見守る必要がある。

▽進退窮まった野田首相

あるアナリストによると、野田首相が経済喚起措置の採用を決定した背景には、経済の極度の落ち込みを防ぐと同時に、さきに可決した消費増税法案の実施に向けて地ならしをすることがある。反対勢力が協力すれば、政府はさらに数兆円の資金を拠出して、経済改革をさらに推し進める可能性もある。

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