JPモルガン証券のエコノミスト足立正道氏は、「今回の資金追加は終点ではない。日銀の経済の不確定性に対する評価を覧る限り、今後さらなる緩和策が打ち出される可能性がある。最大の輸出相手国である中国との摩擦を受け、日本の自動車工業に深刻な損失が生じ、日本経済の低迷のリスクが高まった」と指摘した。
◆円の多難な前途
東短リサーチのチーフエコノミストの加藤出氏は、「その他の中央銀行が今回の金融緩和策に加わるかは分からないが、世界がすでに金融緩和の競争を開始していることは無視できない。日銀が連邦準備制度理事会や欧州中央銀行と足並みを揃えなければ、円高進行により日本経済の回復がさらに遅れるだろう」と分析した。
日銀による介入が予想されたことを受け、先週金曜日より円相場が大幅に下落した。しかしより長期的なスパンで見ると、円相場は今年3月中旬より上昇を維持しており、経済に対して一定のマイナス影響を及ぼしている。内閣が9月10日に発表した経済データ(修正値)によると、今年第2四半期の実質的なGDP成長率は0.7%にとどまり、速報値の1.4%の半分、第1四半期の5.3%を大きく下回った。名義GDPで計算すれば、第2四半期の成長率は-1%で、第1四半期の5.5%を大きく下回った。また日本政府は2カ月連続で日本経済に対する評価を下方修正しているが、これは世界経済の成長率の低下が、日本政府の経済先行きに対する懸念を深めたことを示している。日本政府は報告書の中で、「世界経済の成長率の低下を受け、日本経済の回復が停滞している」と警鐘を鳴らした。
日本メディアは、「このほど釣魚島(尖閣諸島)の係争を巡る中日の外交問題を受け、一部の日本企業が深刻な損失を被っている。世界金融市場は、日本経済が打撃を受けることを懸念している」と伝えた。9月17日夜から、ロンドンとニューヨークで円が売られた。日本政府は9月18日に経済産業省・金融庁・財務省の関係者を招集し、緊急会議を開き対策を検討した。(編集YF)
「人民網日本語版」2012年9月21日
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