▽欧州債務危機の余波
データによると、日本の7月の輸出額は前年同期比8.1%減の5兆3100億円に留まり、経済学者の予想の中央値(2.9%減)を大きく下回った。中でも、対EU輸出は前年同月比25.1%減と大幅減少し、2009年10月以来最大の下げ幅となった。対EU貿易赤字も高位を記録した。
国務院発展研究センター・対外経済研究部の趙晋平副部長は、「欧州債務危機の持続的な悪化の影響を受け、世界経済の回復ペースは鈍化している。中国を含む各国で需要が減少し、日本のような輸出志向型の国は必然的に大きな打撃を受けている」と語る。
特に注目すべきは、日本の対中国輸出も7月に11.9%減と大きく減少したことだ。うち、重機用エンジンなど 原動機が45.8%減、半導体等電子部品が17.2%減、自動車部品も14.9%減少となった。
対外経済貿易大学国際貿易学院の趙忠秀院長は、「日本が中国に輸出しているのは主に半製品であり、中国で再加工した後、米国などに輸出されるものだ。中国の貿易鈍化が深刻化している今、日本製品への需要が減少したのも想定内と言える」と語る。
日中管理学院の李克院長は、「米国の経済回復が遅れており、円高ドル安が続いている。これは日本の輸出にとって相当不利な要素となる」と指摘した。
趙晋平副部長は「日本は現在、震災後の再建段階にあり、生産手段などの需要は引き続き存在するため、輸入は今後も増加するだろう。一方、輸出は世界経済の衰退による需要の疲弊により、短期的な回復は難しい」との見方を示した。
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