日本銀行(中央銀行)の西村清彦副総裁が21日に述べたところによると、不動産バブル、人口構造の変化、貸付の急速な増加により、ある国が金融危機に遭遇する確率が高まる。これは同時に、中国が金融危機の「危険区域」に進入しつつあることへの警告でもあるという。「国際金融報」がロイター社の報道として伝えた。
西村副総裁によると、日本の1990年代の資産バブルと米国の2000年代の不動産バブルには似たところがあり、どちらも総人口に占める労働人口の割合がピークに達し、不動産価格が高騰し、貸出が急速に増加した。こうした要因が相まって、金融危機を引き起こす「悪性のバブル」が出現した。労働人口の割合についていえば、中国はまだピークには達していないが、ピークに近づきつつあり、貸出は増加を続けている。
ということは、中国経済は危険区域に進入しつつあるのだろうか。
中国のある経済学者が22日、「国際金融報」の取材に応える中で、「この日本人の見方と中国の今の実際の情況とは一致しない。いささか個人的な偏見だと言える」と指摘し、貸出の増加は安定的な成長を目指すマクロ調整政策の下で出現するものであり、調整政策が厳格に執行される状況の下では、不動産価格が大幅に上昇する可能性は低いと述べた。
西村副総裁によると、バブルが崩壊するといつも金融危機が発生するわけではないが、人口構造の変化、不動産バブル、貸出の急速な増加が一緒になれば、金融危機が発生する可能性は高まる。一時期は政策決定者が経済に対する楽観的すぎる見方を人々に抱かせ、このことも不動産バブルの種をまくことになったという。
同経済学者は、「われわれの国の現在の不動産は売りに出せないのではなく、高すぎるのだ。不動産市場が引き続きこれまでのように発展していけば、問題が生じる可能性がある」と話す。
また同経済学者の指摘によると、これまで一定の期間に行われたマクロ調整は実際に効果を上げ、国内・海外の各方面のマイナス要因の影響を克服した。経済成長のペースだけで単純に予測を打ち出せるものではない。今年は国内総生産(GDP)の成長率目標が引き下げられたが、雇用という問題を考えなければならず、実際にはペースはもう少し低くなるかもしれないという。(編集KS)
「人民網日本語版」2012年8月24日 |