日本企業の現在の低迷は、伝統的な「モノづくり」に固執し、ハードの改良のみに集中していたことが主因とされている。この理念は日本人の誇りであり、日本の電子企業はこれにより世界で最も薄い小型の製品を開発し、その他の技術面の進歩を実現してきた。しかし日本企業は、消費者が最も注目する要素、例えば製品のデザインや利便性をないがしろにしていた。
日本企業は技術面では飛躍的な進歩を実現したが、海外市場ではフィンランドのノキアや、米国のモトローラに対抗できなかった。日本企業は90年代末から今世紀初頭にかけて、日本の通信基準に適した携帯電話を生産し、国内市場の需要を満たしていたからだ。海外での携帯電話販売に向け、日本企業は製品に手を加え、海外市場の通信網の基準を満たさなければならない。
日本企業は海外での新製品発売が遅いため、サムスンのように海外の通信キャリアと安定的な提携関係を築くことができない。サムスンは各国の通信キャリアと良好な関係を構築しており、海外市場に特化した製品をスムーズに開発している。
◆国内市場の重視
日本の携帯電話は国内市場を重視しすぎたため、「ガラパゴスケータイ」と呼ばれるようになった。海外は日本の携帯電話を、ダーウィンがガラパゴス諸島で発見した、独特の進化を成し遂げた生物に例えた。
2007年のiPhone発売により、それまでの局面が完全に覆された。
全世界はiPhoneの業界全体に対する意義、つまりiPhoneが決定的な製品であることを意識していたが、日本企業の役員はそれをないがしろにし、自社製品が十分「スマート化」されていると信じ込んでいた。
2008年7月、ソフトバンクがiPhoneを日本で販売してから数週間後、日本第2の通信キャリアのKDDIの小野寺正社長兼会長は、「iPhoneは日本の携帯ユーザーの需要を完全に満たすことができない」と語った。3年後、役員の人事異動を行ったKDDIは、iPhoneの販売を開始した。iPhoneはその後、同社の最も人気の高いスマートフォンとなった。
株式会社ローランド・ベルガーのパートナーの大野隆司氏は、「日本企業は市場を読み違え、世界の舞台を意識しなかった」と指摘した。
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