▽日本の不動産価格の大暴落がもたらした経済の悪化 不動産価格上昇を抑制するにはどうすればよいか
米山上席主任研究員は次のように話す。
日本では80年代後半に不動産バブルが崩壊してから今日まで、不動産価格は上昇の軌道に復帰していない。経済全体のバブルが崩壊すると、日本の戦後経済システムも困難な局面に陥った。
中国の現状を考えると、現在は困難な局面に陥っているとはいえないが、長期的にみれば、困難に遭遇する可能性はなおある。この点からいって、不動産価格の調整はより長期的な任務だといえる。
浅子教授によると、バブル崩壊後、日本銀行と米連邦準備制度理事会(FRB)も反省を行い、バブルを調整する必要はなかったのではないかと考えた。バブルが無期限に続くのでない限り、調整の必要はないとの見方に至ったという。
浅子教授は次のように述べた。
中国は今、さまざまな微調整政策を慎重にうち出しており、実際のところ今はこれだけが唯一可能なことだ。今、経済低迷や成長ペースの減速といった問題に直面したとしても、中国が経済成長を持続させさえすれば、不動産バブルの小さな崩壊があっても、有益なことだといえる。これは通貨の流動に対する自然な調節だといえるからだ。
中国が現在直面する経済成長ペースの鈍化は、実際には資産バブルとそれほど関係はなく、主に米国や欧州の低迷の影響によるものだ。この機会を利用して、中国経済のエンジンを輸出から国内市場へと転換させることがより長期的な検討課題だ。
米山上席主任研究員は、「現在の中国政府が各種の効果的な措置を取って不動産価格の上昇を抑制しているのは、妥当なことだと考える。だが不動産価格が所得に釣り合うレベルに調節された時点で、こうした措置はすぐに解除するべきだ。そうしなければ、不動産価格の大暴落が引き起こす経済的なマイナスの結果を引き受けることになる可能性がある。これは前世紀80年代後半の日本経済の政策的失敗から得た教訓だ」と注意を呼びかける。(編集KS)
「人民網日本語版」2012年8月9日
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