財政部と国家税務総局は3日、不動産に関わる税金の推進プロセスを加速させることを明らかにした。この情報を受けて、中国の不動産に対し一層高い関心が寄せられるようになった。「羊城晩報」が伝えた。
経済学者の謝国忠氏はこのほど、中国不動産市場のバブルはすでに崩壊したと強く主張し、「絶対に不動産を買ってはならない。空き物件をもっていたら即刻売れ」とアドバイスし、今は不動産を売ることが一生の幸福につながると述べた。
今年に入り、温家宝総理は不動産価格に五たび言及し、価格を絶対に反転上昇させないと述べた。今月2日には不動産市場が前営業日比5%近く暴落した。
現在、中国は不動産価格の高騰によって経済を牽引しているが、日本のバブル当時ほどのレベルには達していない。とはいえ、不動産バブルがもたらす潜在的な危険性が徐々に見え隠れしている。
バルブ時代の日本の経済は、天井知らずの不動産価格の上昇にともなって頂点に達し、そして価格の暴落にともなって衰退に陥った。不動産を買ったり売ったりすることが、一生の幸福につながるのだ……。
▽中国と日本の似ているところと違うところ 不動産価格はさらに上昇するか
2012年7月13日現在、日本の東京都の南麻布にある広さ約410平方メートルのマンションが18億円(約1億5千万元)で売りに出され、世界で最も高値のマンションとなった。このマンションには「ビジネス界の有名人たち」が数多く住み、東京に1年のうち1-2カ月しか暮らさない国際的ビジネスマンもこの物件に興味をもっているという。
東京の地価は世界で最も高い。過去のピーク時より大幅に低下したとはいえ、それでも東京は地価世界一の都市だ。中国人が日本の不動産価格に抱くイメージは、人気テレビドラマ「東京の上海人」の時代に対して抱いた不思議な感じから、徐々に中国とそれほど変わらないという感じに変わっている。
日本の経済誌「週間東洋経済」は近刊で、中国の不動産をめぐる情況は全体として日本の1970年代に近いものになった。だが中国は「先易後難」の改革路線を採用したため、今後の改革の課題はかなり手強いものであり、全体的な情況は日本の70年代よりも厳しい、との見方を示した。
日本の富士通総研の米山秀隆上席主任研究員は、「1970年代前半の日本は、(米国が金本位制を放棄してブレトン・ウッズ体制が崩壊した)ニクソン・ショックによる経済の悪化を防ぐため、積極的な財政政策を採り、これにより地価が高騰することになった」と話す。
当時の日本銀行(中央銀行)は公定歩合を引き下げたため、個人の住宅ローン借入額が2.3倍に増加した。実際のところ、こうした金融緩和政策が80年代以降になって資産バブルを一層あおることになった。確かに現在の中国でもこれと似た情況がみられる。
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