日本の金融機関の多くが、7月に入ってから人民元と日本円との直接交換という新しいサービスを相次いで取り扱うようになった。今年6月1日に東京と上海の市場で元・円の直接交換が同時にスタートして以来、両市場では取引が活発に行われている。推計によると、東京市場の取引額は一日あたり平均100億円(約8億元)を上回り、上海市場は一日あたり350億-500億円の間を推移して、実際の貿易ニーズに基づく売買額をはるかに上回った。
市場の実際の運営状況や業界関係者の分析を踏まえると、元・円の直接交換が実現したことは多方面で歓迎されている。元や円などのアジア通貨が貿易の中でより多く使用されるようになれば、アジア各国企業が長期にわたり米ドル決済を行うことによりもたらされる為替リスクや両替コストを削減する上でプラスになり、またアジアの金融協力における重要な動きとなる。
▽日本企業 人民元業務に関心
みずほコーポレート銀行の責任者は取材に応える中で、「元が初めて円と直接交換できるようになって1カ月あまりが経ち、東京・上海市場での取引は順調に行われている。東京市場の一日あたり平均取引額は10億-14億元で安定している。日本企業は人民元業務に関心を抱いており、弊社の外国為替部門には連日問い合わせの電話が寄せられている。現在、多くの企業は様子見の段階にあり、人民元業務をもっとよく知ってから参入したいと考えている。中には小口の取引を通じて業務のテストを行っている企業もある」と述べた。
現在、日本の金融機関の多くは直接交換に関連した新しいサービスを相次いでうち出している。日本の主要な外国為替証拠金取引(FX)企業のセントラル短資FXは、日本で初めて元・円の現金交換業務をうち出した外国為替取り扱い企業であり、7月2日から個人投資家と法人顧客に向けて、24時間の元対円のFX取引業務をスタートした。日本のネット銀行・じぶん銀行は、今月3日より人民元建ての普通預金・定期預金の取引時間を、これまでの午前10時30分-午後4時30分から、午前9時-翌日午前0時に延長した。また日本・北海道の北洋銀行は、今月5日から人民元建て決済の海外への送金業務をスタートし、9日からは現地企業に人民元建て普通預金業務を提供している。
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