タイは日系自動車メーカーが東南アジア地区で育成した、自動車の生産・輸出拠点である。しかし長引く洪水により、10月中-下旬、タイの日系8大自動車メーカー全社が生産停止に追い込まれた。うちホンダは工場全体が水浸しになった。日系8大自動車メーカーは、タイの自動車生産台数の9割を占める。この影響を受け、10月のタイの自動車生産台数は、昨年同期のわずか3分の1にとどまった。日系自動車メーカーの、国内・東南アジア諸国における自動車生産も、タイの部品供給が滞ったことを受け、減産を余儀なくされた。
相次ぐ自然災害は、日系自動車メーカーの2011年度の生産販売計画に直接影響した。今年1-9月の統計データによると、トヨタの世界販売台数は前年同期比9%減の577万台にとどまった。一方で、ゼネラル・モーターズの同期の販売台数は679万台、フォルクスワーゲンは617万台となった。タイの洪水の長期化を受け、トヨタの第4四半期の追い上げは困難となり、2008年より守っていた世界売上首位の地位を明け渡すことになる。
日本企業にとって自然災害より深刻であるのは、今年の年初から進行している円高だ。日系自動車メーカーの「6つの困難」とは、自動車メーカーが直面している6つの構造的な問題を指している。すなわち円高、労働政策、法人税負担、貿易自由化の遅れ、排出削減の圧力、電力供給制限のことだ。うち円高は最も深刻な問題で、企業の利益を大きく食い込んでいる。
|