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評論  
野田首相就任と日本政府の対中国政策

張瑶華(中国国際問題研究所副研究員)

 

8月30日、日本の政界の走馬灯がまた回り始めた。菅直人氏に代わって新首相となった野田佳彦氏は、過去担当経験があるのは財務相で、外交面の発言が比較的少ないため、その外交路線に注目が集まっている。それに加え、野田首相が過去に示した歴史問題への態度と「第二次世界大戦でA級戦犯と呼ばれた人たちは戦争犯罪人ではない」との発言が、そのアジア外交政策の行方について懸念を生んでいる。しかし本当に注目されているのは、度重なる首相交代の間に外交面で理想主義と情緒主義の曲折を経た民主党政権が、理性的で着実な路線へと転向し、東アジアの安定を促すことができるかどうかである。

9月2日東京で野田佳彦首相(前列中央)率いる内閣の顔ぶれが揃った 新華社(関賢一郎撮影)

「自主外交」の破滅

2009年、日本民主党は「変革」という大きな旗印を高く掲げ、政権に就いた。民主党は衆議院選挙で勝利し、自民党長期政権の局面を変えただけでなく、外交面でも新たな期待が寄せられた。鳩山首相(当時)は就任後、「自主外交」理念を打ち出した。それは、①日米同盟を基軸とする基本方針を堅持すると同時に、日本外交の自主性を強調し、日米の対等な地位を主張する、②アジア外交を重視し、日本と米国の関係、そして日本とアジア、特に中国との関係の中で均衡を図る、というものであった。鳩山外交は主に次の2点において特徴的だった。1点目は、在日米軍普天間基地の移設問題で有権者の意見を尊重し、比較的強硬な態度を取ったこと。もう1点は、アジアとの関係において、中国との関係を積極的に発展させ、「東アジア共同体」構築を推進したことである。

鳩山首相の外交調整は米国のアジア戦略を大きく妨げた。そのため、米国はあらゆる広報外交手段を用いて、安保同盟の必要性について世論を誘導するよう米日メディアに強力に働きかけた。鳩山内閣に圧力をかける中で、米国は主に中国の台頭が地域に与える脅威を強調した。鳩山首相は辞職を余儀なくされ、米軍基地を沖縄から出て行かせるという民主党の総選挙公約は水泡に帰し、独立自主の外交理念も絵に描いた餅となった。しかし鳩山外交の失敗による直接的結果は、後を引き継いだ菅内閣が日本外交の重心を日米同盟へと回帰させ、米国が米日同盟を一歩進めた米日連合で中国の台頭に対応するために条件を整えたことであった。

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