メリルリンチは日本大地震後、直ちに分析報告を発表し、日本最大の貿易パートナーである中国が受けるであろう影響についても評価を出した。報告は、「過去20年間で、中国は徐々に日本の大手多国籍企業の生産ラインの一部となった。中国では川下製品を、日本では川上製品を生産している。日本でチップなどの要となる川上製品の生産が中断されれば、中国での最終的な製品生産も大きく影響を受けるだろう」と指摘する。例えば東芝のナノチップ生産設備は被災地にあり、アップルやその他のモバイル設備製造企業は、このナノチップを使うモバイル設備を中国で組み立てている。
メリルリンチの報告では、中国の対日輸出は地震によって逆に増加する可能性があるという。同報告は「地震発生後、食物から消耗品にいたるまで、物資供給が打撃を受け、短期的には中国の対日輸出が増加するだろう。その後の復興においても中国の対日金属・機械輸出が増加する可能性がある」と指摘する。
清華大学の劉江永氏も同様の見方を示す。現在、日本政府の主な任務は再建・復興問題だ。地理的にも中国は日本から最も近い大国だ。建築材料、労働力、日用品、食品など多方面において中国は復興必需品の供給国となりえる。
劉氏は「中日貿易は今年、25%から40%の伸び幅となる可能性がある。中国の対日輸出は想像を上回るだろう。日本の対中輸出は同レベルもしくはやや減少すると見られる。しかし、これには多くの変数が含まれる。全体的に見ると、地震は中日両国の経済貿易関係、人員の往来には悪影響をもたらすが、災害救援と復興のプロセスでは、客観的に見て中日両国関係の密接化、深化にプラスとなる可能性がある」と述べる。(編集SN)
「人民網日本語版」2011年3月21日 |