「日本が中国の東北を侵略した『九一八事変』が日中戦争に発展したのはなぜか」「東京裁判が残した問題は何か」など5つのテーマをめぐり、日本の読売新聞は2005年から14カ月かけて系統的な調査を行い、戦争の責任を反省するとともに、首相の靖国神社参拝に公開で反対した。この調査結果を反映した『戦争責任を検証する』の中国語版がこのほど、新華出版社から出版された。
『戦争責任を検証する』は約35万字。「九一八事変」から日本の敗戦までの全過程を回顧、反省している。本書は3部で構成。第1部は背景の分析であり、日本の当時の社会、例えば天皇、内閣、議会、軍部、メディアなどの面から、戦争の勃発と発展の過程を論じている。第2部は事実の検証であり、1928年の「皇姑屯事件」(張作霖爆殺事件)から1945年の日本の敗戦・投降までの全過程について記述、分析している。第3部は、様々な層の関係責任者の負うべき戦争責任について具体的に分析している。
読売新聞の渡辺恒雄主筆は中国語版の序文で「本書を出版した動機は、日本のこの戦争に対する非人道性及び責任の所在を研究して明白にし、日本人自身の良心に照らして、正確な歴史認識を得てはじめて、被害国と率直かつ友好的な対話が可能になる、との信念からにほかならない」と強調している。
中国社会科学院近代史研究所の所長で、中日共同歴史研究の中国側委員会の歩平・首席委員は「読売新聞が勇敢にも狭隘の民族主義的立場を超越し、大きな声で日本の『戦争責任』を叫んだことは、『匹夫の勇』だけできるものではなく、必要なのは深い思弁能力だ。この本は、読売新聞が日本の戦争責任を追究した第1歩であり、今後、第2歩、第3歩を踏み出すことを期待する」と述べている。
本書には100枚余りの写真が添えられてり、大半が当時、読売新聞の記者が撮影した。多くは中国の読者が初めて目にするもので、歴史の数々の場面が再現されている。
写真は北京の西単図書ビルで『戦争の責任を検証する』を手にする読者
「北京週報日本語版」2007年7月19日 |