中米経済貿易関係の共通課題
中米両国は現在新たな課題に直面している。中米間はもう30数年前のような関係ではなく、世界第2の経済体と世界第1の経済体との関係である。両国は国内構造改革という課題を解決せねばならないだけでなく、相手との関係をどのように処理し協調するかについても考慮しなければならない。
中国の台頭にしたがって、両国の経済面や技術面の格差は縮まった。現在では、米国は中国を強力なライバルだと感じるようになってきている。経済グローバリゼーションという新たな情勢下にあって、今日、中米両国の発展は以下のような共通課題に直面している。
(1)より高水準の規則作り。米国はドーハ・ラウンドと多国間自由貿易体制に対する興味を失い、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)、環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)、新サービス貿易協定(TISA)交渉を呼びかけ、21世紀に向けたより高水準の自由貿易協定でのみ新しい技術と産業の進歩を推進できると考え、自国の新たな競争優位性を保障しようとしている。
(2)新たな発展空間の開拓。21世紀の新規台頭大国である中国は、これまで数世紀における大国台頭の道筋をたどることはできず、新しい発展空間開拓の道を探る必要がある。習近平主席は2013年、相互連結性によってユーラシア大陸の協力発展を促進する「一帯一路」(「シルクロード経済ベルト」と「21世紀海のシルクロード」)戦略を提起し、すでに多くの国の賛同を得ている。しかし、米国は中国の「一帯一路」戦略に対し今に至るも大きな疑念を抱いている。国際社会、両国においても、一部の人はまだ従来の冷戦思考にとらわれている。
(3)大国としての世界的責任。経済グローバリゼーション調整という新しい歴史の節目にあって、人類は資源環境が持続不可能になるという巨大圧力の解消、発展不均衡の解決、貿易保護主義の防止、新たな発展協力方法の探求、テロリズムなど安全に対する脅威の排除、情報技術の急速な進歩による経済・社会構造の劇的な変化にどう対応するかなど、どちらの運命にもかかわる一連の問題に直面している。
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