経済貿易関係は中米関係を安定させる「バラスト(底荷)」のようなものだ。世界貿易構造の巨大な変化という情勢の下で、中米経済貿易関係は多くの共通課題に直面しており、それぞれの長期的利益と世界の発展にかかわる一連の重大問題をともに解決していかなければならない。
中米経済貿易関係の戦略的地位
長期間にわたって、中米経済貿易関係はしばしば両国間の政治や安全保障関係に従属もしくは服従してきた。時には両国間の政治対立により妨げられることもあった。しかし1970年代以降の両国関係を振り返ってみると、実際のところ経済貿易協力は両国関係のうち最も活力があり、最も持続的かつ安定して発展してきた、最も重要な部分であった。習近平主席の言葉を借りると、経済貿易関係は中米両国関係という船を安定させまっすぐ進ませる「バラスト」のようなものだ。
輸出入貿易面では、中米両国の貿易額は70年代末の年間20億ドル以上から2014年の5551億ドルまで増え、年平均約16%の成長率で伸びてきた。両国関係に波風が立っていた時期ですら、2国間の貿易成長が停滞することはなかった。米国はすでに中国にとって単独国家として最大の輸出市場となっており、中国もカナダに次いで米国の第2の輸出市場になっている。
2国間投資面では、中米双方向投資額はすでに1200億ドルを超えている。米国上位500社企業のほとんどが中国に独資もしくは合資企業を持っており、この20数年間に中国で大きな成功を収めた。中国の国際化経営力を有する企業にとっても、米国は第一の対外投資対象国となっている。
経済貿易・協力を通じて、中国は米国から現代化建設に必要な大量の資本、先進技術、現代化理念を導入し、企業管理レベルが大きく向上し、経済が急成長した。米国は中国から長期的に安定した投資リターン、高品質で廉価な消費財供給を得て、インフレ率を比較的低く保ってきた。米国は中国に巨大な市場を提供し、中国の急速な工業化がもたらした生産能力を消化し、一方中国のほうは巨額の貿易黒字で得た外貨準備高で米国国債を購入した。双方は持続的な相互利益補完・相互依存関係を築いていった。
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