本誌記者 白石
今年7月26日は「ポツダム宣言」発表から70年の記念日に当たる。しかし日本政府の近頃の一連の言行は、「ポツダム宣言」など第2次世界大戦後の国際秩序を定めた国際法文書に公然と違反している。これに関連して、23日に行われた国務院新聞弁公室ブリーフィングで、中国の複数の専門家や学者が「ポツダム宣言」の現実的意義を強調し、安倍政権の間違った言論に反駁した。
中国社会科学院近代史研究所副所長の金以林氏は次のような説明を行った。1945年7月に発表された「ポツダム宣言」の内容は全部で13条あり、日本の戦争責任と戦後の日本の領土範囲を明確にした。日本は降伏文書に調印した際、「ポツダム宣言」と「カイロ宣言」など文書規定の関連条項を受諾した。1972年9月、田中角栄首相が訪中し中国の指導者と「中日共同声明」を調印した際にも、日本の「ポツダム宣言」受諾が明確に示されている。
しかし、日本の政界全体で保守化が進むにしたがって、日本政府は「ポツダム宣言」を否定し、戦後国際秩序の法的基盤を崩すことを企むようになった。 2012年9月、野田佳彦内閣が釣魚島及びその付属島嶼の「国有化」を決定したことは、「ポツダム宣言」のうち日本の領土範囲に関する規定に公然と違反している。
今年5月20日に日本の国会で行われた党首討論で、日本共産党の志位和夫委員長が安倍首相に対し、日本が行ったのは間違った戦争だったとする「ポツダム宣言」と「カイロ宣言」の認識について態度を明確にするよう要求した際、安倍首相は「ポツダム宣言」の内容を読んでおらず、「論評を差し控える」と答えた。
7月16日、日本の国会衆議院は安倍内閣が制定した新安保法案を強行可決し、日本が海外派兵するための法整備を企んでいる。
これに関して、中国社会科学院日本研究所研究員の呂耀東氏はブリーフィングで次のような見解を示した。結局のところ、日本の一部政治家は歴史を正視することができない。このところ日本国内には平和憲法改正の動きがあったが、結局は日本国内の民衆の反対で実行できず、代わりに憲法解釈変更による集団的自衛権行使容認を目指した。今回衆議院で可決された法案には恒久的海外派兵に関する法案が含まれており、こうした内容はまさしく「ポツダム宣言」関連規定に背理するものである。まさにそうであるからこそ、日本の政治家は「ポツダム宣言」を知っていながら重視せず、避けて語らずにいるのだ。
中国社会科学院国際法研究所研究員の趙建文氏は、安倍政権は日本の集団的自衛権行使を容認すべきだと主張し続けてきた、と指摘した。実際のところ、安倍首相が企んでいるのは日本が再び戦争権を手にすることである。戦後1947年に施行された日本の平和憲法の第九条は、「 国権の発動たる 戦争と、武力による 威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」、「陸海空軍その他の 戦力は、これを保持しない。国の 交戦権は、これを認めない」と定めている。そして「ポツダム宣言」の精神はこの平和憲法第九条に体現されている。
趙建文氏は次のように強調した。中日関係は「カイロ宣言」、「ポツダム宣言」、1972年の国交正常化共同声明及び1978年の中日平和友好条約をベースとして発展してきた。「カイロ宣言」と「ポツダム宣言」を否定すれば、それは中日関係の4つの政治文書の法的基盤を否定したことに等しく、中日関係正常化の基盤は失われる。日本がかつての「第2次世界大戦中の敵国」として、今、過去の戦争責任を認めなければ、国際社会は真剣に対処しなければならない。
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