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新聞記者から日本語教師に「中国の若者に日本理解の手掛かり与えたい」
学生の日本語力向上のために工夫凝らす

北方民族大学の日本語学科は1学年2クラスずつ。1クラスは25人前後だ。学生の民族構成は多彩で、多民族国家である中国の実態をよく映し出している。割合でいうと漢民族が圧倒的に多いが、その出身地は全土に広がり、南は雲南、広西チワン族自治区、海南島、北は吉林、黒龍江、西は新疆ウイグル族自治区、東は山東と各省にわたっている。

学生たちが日本語を専攻した理由は、アニメやゲームなど日本のサブカルチャーに子どもの頃から親しんでいた、何となく日本への憧れを抱いていた、などさまざま。銀川の学生たちに対する印象について目黒さんは、「授業中の態度は真面目。学生の一部は勉強熱心で、学力も伸びている」と評価する。その一方で、卒業後に学生たちが直面する内陸都市ならではの問題も指摘する。「北方民族大学は日本語学科設立から9年目で、まだ歴史が浅く実績も乏しい。銀川に進出している日系企業もわずか2社なので、卒業後に銀川で日本語力を生かした職に就くチャンスがないというのが悩み。学生たちは卒業後、故郷に戻って日本語とは関係ない仕事を探すか、あるいは上海などの都会で日系企業や日本と取引がある企業に就職する道を選んでいる」。

日本語の授業では、学生の日本語力向上のためにさまざまな工夫を凝らしている。日本の現状や世界の動きを知るために、日本のメディア(新聞の電子版、テレビニュースなど)の最新ニュースを調べさせ、毎回の授業で発表させている。新聞記事は分かりやすい現代文のお手本でもあり、読解力や作文力の向上に役立つと考えているからだ。また、1年生の会話の授業では、発音が明瞭で内容も分かりやすい歌を教材に使い、正しい発音の練習に役立てた。さらに滑舌の練習も取り入れている。

授業以外でも、学生たちが日本理解を深められるよう心を砕いている。「日本の食文化に触れさせようと、ちらし寿司や海苔巻き、カレーなどを一緒に作り、味わいました。こうした試みは、舌で日本を知るきっかけになったと思います」。また、「日本語コーナー」と名付けた催しに日本人駐在員を招き、学生と交流する機会も設けた。「日本への関心と理解を高める試みは、工夫次第でいろいろやれると思った」と手ごたえを感じている。  

中国の若者の日本理解の一助に

中国で日本語教師として中国の若者と向き合って4年。その間に、現代日本のありのままの姿や社会、文化、政治、経済などの課題について、ある程度は伝えることができたし、日本という国と日本人を知る一助にもなったのではないだろうか、と目黒さんは考えている。それと同時に、「中国の若者が抱える悩みや矛盾、家族を思う心情などに触れ、日本の若い世代との共通点や相違点に考えが及ぶようになりました」と自身の変化も振り返った。

目黒さんは言う。「近年の中国と日本は、歴史認識の違いや政治的な対立が喧伝され、互いの不信感が高じているように思います。そうした不信感を溶かす最良の方法は、柔軟な思考の若者同士の相互理解を深めること。中国の若者が日本という国、日本人を理解する手掛かりを与えることができたとしたら、教師冥利に尽きると考えています」。

「北京週報日本語版」2015年7月27日

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