20年前の1995年8月15日、当時の村山富市首相が戦後50年の節目に発表した「村山談話」は、日本にとってどんな意味を持つのか。安倍首相がこの8月に発表する「安倍談話」が「村山談話」" /> 村山富市元首相に聞く 隣国との和解で拓かれる未来 -- pekinshuho
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村山富市元首相に聞く 隣国との和解で拓かれる未来

――日本の首相としては初めて、中国の盧溝橋に建てられた抗日戦争記念館を訪問されましたが、非常に勇気が要ることだったと思われます。訪問までの経緯をお話ください。

村山 中国という国をどう理解すべきか、どう付き合っていくべきかを考えた時、まずは中国をよく知る必要があります。私も戦争に巻き込まれましたが、中国に行ってはいませんので、戦時中の中国のことは知りません。自ら中国を訪問して、日中戦争とはどういうものだったのか実際に見学する必要がありました。

1995年5月3日、村山富市元首相一行は北京市郊外にある盧溝橋の中国人民抗日戦争紀念館を参観した(新華社)

――「村山談話」発表から20年が過ぎました。現在の日本の政治と周辺国との外交において、「談話」をどう位置づけていますか。

村山 第一次安倍内閣の当時の安倍首相は「村山談話を継承する」と断言しましたが、第二次内閣では、「村山談話をすべて継承するものではない」と言ったり、「侵略」の文言を否定したりするかのような発言を行いました。これについては国会の中でも議論があり、最終的には「村山談話を継承する」と言わざるを得ない状況になりましたが、「村山談話」に対する疑問を提示したあとに70年談話を出すと言うのだから、歴史認識に変更を加えるのではと思われても不思議ではなく、だからこそ国際的にも今、「村山談話」が注目され、安倍談話に関心を持たれているのだと思います。

――確かに「村山談話」を否定しようという動向があるようです。これは日本をどのような方向に導くのでしょうか。

村山 日本は悲惨な戦争の経験から平和憲法を制定し、70年間戦争を知らず、参加することもなく、平和な繁栄の道をたどってきました。その姿勢を中国や韓国などアジア諸国はもとより、多くの国が評価しています。日本の国民にしても、右傾化にはやはり不安と危機感を持っています。憲法改正も、国民が認めるとは思えません。日本は民主主義の国で、主権は国民にあり、決定権は国民にあります。最近の世論調査も、安倍政権のやり方に反対の声が増えています。

 

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