本誌評論員張志萍
7月31日、国際オリンピック委員会はマレーシア・クアラルンプールで開かれる第128次総会で、投票により2022年冬季オリンピック開催地を選出する。候補地は中国の北京とカザフスタンのアルマトイで、この2都市から開催地が選ばれる。
中国では近年ウィンタースポーツが盛んになりつつあり、ウィンタースポーツを楽しむ人が増えている。同時に、中国のスケート競技とスキー競技のレベルも急速に上がっている。今回の北京と河北省張家口の2022年冬季オリンピックと冬季パラリンピック招致には多くの優位性がある。国際オリンピック委員会と北京冬季オリンピック招致委員会の調査によると、90%を超える中国人が北京の冬季オリンピック招致を支持しており、この目標実現のために自分も努力したいと考えている。現在、中国オリンピック委員会は「3億人のウィンタースポーツ参加」計画を進めており、さらに青少年百万人にウィンタースポーツを楽しむよう促すプロジェクトなど複数の普及プロジェクトを実施する予定だ。
2008年夏季オリンピックを成功裏に開催した都市として、北京には豊富な大型スポーツ競技開催の経験と継続利用が可能な世界級の競技会場があり、また張家口は十分な雪上スポーツの条件を完備している。また、国際的な大都市である北京は十分な受け入れ施設や能力を備え、ホテル、オリンピック選手村、空港、通信、メディア、安全保障、交通サービスなどの面で冬季オリンピックのニーズを完全に満たしている。また、北京は世界で最も人気のある観光・ビジネスの目的地の1つであり、昨年は延べ2億6000万人を受け入れた。北京の首都国際空港には国際直通航空路線109本が就航している。
劉延東副総理は6月、ローザンヌで招致プレゼンテーションを行い、「中国政府と社会各界は北京・張家口の2022年冬季オリンピック・冬季パラリンピック招致を支持している。中国政府はすべての約束を守り、北京冬季オリンピックのために全方位的なサポートを提供し、財政、法律、安全保障、組織運営などの面で安全で信頼性の高い保障と完全でスピーディーなサービスを提供する」と約束した。
もし北京が選ばれれば、北京は世界で唯一夏季オリンピックと冬季オリンピックの両方を開催した都市となり、オリンピックの歴史にも新たな1ページが記される。これは双方にとってウインウインの結果である。北京と張家口の冬季オリンピック開催は、中国のウィンタースポーツ人口をきわめて大きく拡大し、ウィンタースポーツの普及と向上を大きく促進するだろう。中国にとっては、北京・河北省及び周辺地域の少なくとも3億人がオリンピックにかかわることになる。これは、一つには多くの就業機会を生み、二つには首都北京経済圏の波及効果をより一層発揮し、張家口及び周辺地域経済の発展、大気質改善、生活レベルの向上を促すことができる。また、オリンピック・ムーブメントの機能と影響力を最大限発揮し、スポーツ、文化、教育、環境、競技会場及び都市インフラなどの面でより価値のある持続可能なオリンピックの遺産を築くことができる。
もちろん、冬季オリンピック招致が成功してもしなくても、中国人は冷静に対応するだろう。例えば、すでに建設が始まっている京張(北京-張家口間)高速鉄道、実施中の空気汚染対策や京津冀(北京・天津・河北省)一体化といった一連のプロジェクトは、冬季オリンピックが開催されれば、オリンピックにとって高いサービスを提供することができる。しかし成功しなかったとしても、これらのプロジェクトは国家発展計画の一部であり、中国の人々に利益をもたらすことができるのである。
「北京週報日本語版」2015年1月10日 |