中国について見てみると、2014年の国際貿易総額は26兆4300億元(約4億2000万ドル)に達し、その年のフランスのGDPをはるかに上回っている。中国の国際貿易は世界に広がり、主要先進国、例えばEU、米国はいずれも中国の重要な貿易相手である。昨年、中国の年間実質ベース外資利用額は7363億7000万元(約1200億ドル)で、非金融類対外直接投資は累計6320億元(約1000億ドル)だった。一方、2014年の中国のGDPは約63兆元(約10兆ドル)であった。
以上の数字から計算すると、中国経済の国際化レベルは約43%ということになる。米国、EU、日本などの90%以上という国際化レベルと比べるとかなり大きな開きがある。
現在人民元は国際市場でますます広範に用いられるようになっている。国際銀行間通信協会(SWIFT)のレポートによると、2015年5月現在、すでに1081の金融機関が人民元を使用し、中国との取引における決済通貨として用いており、こうした機関が中国との間で用いる決済通貨のおよそ35%を占めている。2年前、この割合は約29%だった。5月、人民元は世界の決済通貨で5位となり、シェアは2.18%に上がった。
さらに同協会のレポートによると、人民元を使用している金融機関数は、2年前より22%増え、そのうちアジア太平洋地域の金融機関は2年前の33%から37%、米国の金融機関は10%から37%にそれぞれ増えた。人民元を決済通貨として採用する国際金融機関が増えることは、人民元国際化プロセスの重要指標である。こうした成長指標から考えると、中国が年末に打ち出す人民元クロスボーダー決済システムへの加入に対し、より多くの金融機関が興味を示すかもしれない。
同レポートの情報によると、人民元はすでに国際通貨の実質的機能を備えており、国際通貨になるために不足しているのは資本項目の自由化だけである。しかし中国経済の国際化レベルが高くないことが制約となり、この目標の実現にはおそらくまだ時がかかるだろう。
筆者は、人民元の国際化を重要目標としてとらえるのではなく、中国の実体経済の強大化と経済国際化レベル向上の副産物ととらえるべきだと考える。中国が貿易大国から貿易強国へと変わり、外資利用の質が向上し、対外投資額が大幅に増えるに従って、人民元の国際市場における使用も大幅に増え、それによって金融監督管理部門はより深くより広い金融改革を求められるようになるだろう。経済国際化レベル向上と金融改革による金融・経済安定確保という新たな情勢の下で、時期が熟すれば自然に人民元資本項目自由化が実現し、人民元は真の意味での国際通貨となるだろう。
「北京週報日本語版」2015年7月9日 |