本誌評論員 蘭辛珍
間違いなく、今年も中国はアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)の主役だった。米国を始めとする少数の国が、中国が主権範囲内で展開する南中国海島礁での建設工事をいわれなく非難し、再び「中国」を今年度の会議のホットワードにしたのだ。
こうした国の動機が何かに関わらず、中国が南中国海地域の平和と安定を守るという基調が変わることはない。今回のアジア安全保障会議で、中国の代表は「中国が領土主権と海洋権益を守る決意も、南中国海の平和的安定を守る意志も、南中国海紛争を平和的に解決するという立場も揺らぐことはなく、関係国とともにリスクを適切に管理する努力と、海上安全保障協力を引き続き推進する意志も変わりはしない」との態度を明確にした。これは中国政府がこの地域の平和と安定を守る決意を体現するものだ。
中国国民は戦争を経験した。70年前、中国は8年にわたる想像を絶する苦難に満ちた粘り強い努力の結果、日本の侵略に抵抗する戦争に勝利した。中国の人々は戦争の残酷さを十分に知っており、戦争がもたらした苦痛を今も鮮明に覚えている。このことも、中国政府と国民が一貫して平和維持を自己の務めとしてきた主な理由である。
1970年代末に改革開放策を実施して以来、中国は経済発展の歩みを加速した。こうした新しい情勢の下では、平和で安定した周辺環境を維持し自身の平和的台頭の実現を加速することが特に必要だった。
しかし、一部の国は中国の台頭を望まなかったらしく、さまざまな方法で中国を牽制している。ここ数年相次いで起こっている東中国海問題、東北アジア問題、釣魚島問題、南中国海問題などは、中国の発展を束縛する外的障害となっている。
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