本誌評論員 蘭辛珍
今年はバンドン会議開催60周年に当たる。4月19日~24日、インドネシアでバンドン会議60周年を記念する活動が行われる。いかにして新情勢下でバンドン精神を発揚し、アジア・アフリカ諸国の共同発展を促進するか。これは考えるに値する問題だ。バンドン会議参加国の1つである中国には、バンドン精神が新情勢下で継承・発揚されていくようにする責任と義務がある。
60年前と比べ、現在の世界情勢は天地がひっくり返るほど大きく変わった。インドネシアのバンドンでアジア・アフリカ会議(略称「バンドン会議」)が開催された時、参加国が直面していた重大な課題は植民主義だったが、現在直面しているのは国家発展の問題だ。当時参加国の最大の目標は政治的独立だったが、現在は国家経済の振興である。また当時は参加国のほとんどが貧しく弱い国だったが、現在では中国やインド、南アフリカなど、すでに世界や地域の経済政治大国になった国もある。こうした情勢の変化により、一部の人々の考えにこんなぐらつきが生じている。国際社会はこれからもバンドン精神を堅持していくべきなのだろうか?
このようなぐらつきは間違っているし、また恐れるべきものでもある。アジア・アフリカ諸国が西洋の植民統治を脱し、尊厳ある発展と台頭のチャンスを得ることができたのは、バンドン精神および平和十原則と切り離すことはできない。植民化の被害者であるアジア・アフリカ諸国であれば、なおさら自身の発展を通じて国家間の平和共存と友好協力の必要性が分かるはずだ。
60年来、中国は終始バンドン精神の積極的実践者であった。当時バンドン会議が体現した、アジア・アフリカ諸国の人々が植民主義と人種主義に反対し、民族独立を勝ち取りかつ強化し、世界平和を守り、アジア・アフリカ諸国間の平和共存と友好協力を求めた願いと精神は、「バンドン精神」と総称されている。これはアジア・アフリカ諸国共通の歴史的遺産であり、貴重な精神的財産である。この史上初めてアジア・アフリカ諸国によって自発的に開催された国際会議は、国際関係史における偉大な試みであった。バンドン会議で採択された平和十原則は、公正で合理的な国際政治経済新秩序を作る上で重要な基礎を固め、会議が提唱した「団結、友誼、協力」の精神は、アジア・アフリカ諸国の連携した民族自決を力強く後押しし、世界の平和と発展を促進した。中国の現行周辺外交政策における「親、誠、恵、容」(親しみ、誠意を持ち、恩恵を及ぼし、寛容に接する)という理念も、バンドン精神と符合している。隣国と友好関係を結び、隣国の安全を保障し、隣国を豊かにするという中国の外交政策は終始変わっておらず、またこれからも変わることはないだろう。
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